子ども手当を満額支給できなかった場合の試算<訂正版>

2011年度以降も子ども手当半額支給(月13,000円)が続いた場合

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2010年04月08日

サマリー

◆3月26日に、子ども手当法が成立した。子ども手当法では、2010年度中に子ども手当を中学生以下の子ども1人あたり月額13,000円を所得制限なしに支給することが定められた。民主党のマニフェストでは2011年度以降、子ども手当を月額26,000円に増加させ満額支給とする予定である。

◆だが、子ども手当満額支給に向けた財政上のハードルは非常に高い。2010年度においても、子ども手当の半額支給(及び高校無償化)のための財源のうち約1兆5,200億円を実質的に新発国債で埋めた形となっている。もし2011年度に子ども手当を満額支給するならば、2011年度は子ども手当及び高校無償化の財源のために約4兆700億円の国債を発行しなければならない計算となる。

◆子ども手当の満額支給を諦め、2011年度以降も月額13,000円の半額支給を継続するならば、2011年度の不足財源は約1兆4,200億円に留まる。だが、その場合、家計の手取り収入増加の効果は税制改正の影響もあるため、満額支給の場合の2割程度にまで縮小してしまう。この場合、子育て世帯に手厚い支援を行う当初の政策目的はほとんど達成できないことになる。

◆「社会全体で子どもを育てる」ことを最優先課題として歳出減や増税で財源を確保して、子ども手当を満額支給するのか、それとも財政規律を重視して子ども手当の満額支給を諦めるのか、政府・与党には決断が迫られる。

本レポートは、サマリーのみの掲載とさせて頂きます。

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