サマリー
◆2021年10-12月期の実質GDP成長率は前期比年率+6.9%と前期から大きく加速した。需要項目別に見ると、最大のけん引役となったのは民間在庫であった。主要項目のうち、個人消費は堅調も、設備投資や住宅投資はやや冴えない。結果、純輸出と民間在庫を除いた実質国内最終需要は同+1.9%と、7-9月期(同+1.3%)から大きくは伸びておらず、実質GDP成長率についても割り引いて評価する必要があるだろう。もっとも、供給不足が設備投資や住宅投資のボトルネックとなったことを踏まえれば、民間在庫の伸びが加速したこと自体はポジティブな要素といえる。
◆先行きに関しては、新型コロナウイルスの感染状況の悪化によって2022年1-3月期は成長率が再び減速するも、景気への悪影響は短期間で収まり、4-6月期には成長率の再加速が期待される。しかし、FRBはインフレ加速に対応すべく金融政策も正常化を進めており、金融環境の引き締めによる需要の抑制が想定される。財政によるサポートも見込みにくい中で、4-6月期の景気の回復ペースに過度な期待は禁物だろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
-
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
-
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
-
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日