サマリー
◆2016年1-3月期の実質GDP成長率は前期比年率+0.5%となり、プラス成長が続く過去2年間において最も低い成長率に留まった。設備投資、輸出の減少幅が拡大したことに加えて、全体の下支えとなってきた個人消費の伸びが前期から減速したため、GDP成長率は3四半期連続で鈍化した。
◆GDP成長率は市場予想を下回ったが、これは設備投資、在庫投資、輸出の下振れによるものである。米国経済の最大のドライバーである個人消費については市場予想を上回り、ヘッドラインの下振れを悲観視するほど内容は悪くないと考えられる。
◆先行きについては経済成長ペースが再加速し、緩やかな景気拡大が続くと見込む。個人消費はこのところ減速傾向が続いているものの、雇用・所得環境は改善傾向が続いており、個人消費を取り巻く環境は底堅い。今回の結果で見られたように、消費者マインドの悪化などの要因によって、所得の増加ほどには個人消費が増加しない可能性には留意が必要だが、所得の増加が続く中で個人消費が腰折れするとも考え難い。
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