サマリー
◆【企業部門】2021年1月の輸出や生産活動は、財とサービスで明暗が分かれた。輸出数量指数は前月比+2.6%と2ヶ月ぶりに上昇した。とりわけアジア向けの輸出が全体を押し上げた。鉱工業生産指数は同+4.3%と3ヶ月ぶりに上昇した。これらは中国の春節を前にした駆け込み輸出が要因とみられる。他方、第3次産業活動指数は同▲1.7%と3ヶ月連続で低下した。緊急事態宣言の再発出などを背景に、「生活娯楽関連サービス」が全体を大きく押し下げた。
◆【家計部門】2021年1月の消費、雇用、賃金はまちまちの内容であった。二人以上世帯の消費額は前月比▲7.3%と、緊急事態宣言の再発出を受けて2ヶ月ぶりに減少した。雇用・所得関連指標では有効求人倍率が1.10倍に上昇し、完全失業率は2.9%へと低下した。緊急事態宣言中に指標が改善しており、総じて見れば雇用環境は上向いているとみられる。現金給与総額は前年比▲0.9%と、前月の大幅な落ち込みからやや持ち直したものの、依然として前年割れが続いている。
◆【四半期指標】2020年10-12月期の全産業(金融業、保険業除く)の売上高は前期比+2.5%、経常利益は同+15.5%と、いずれも4-6月期を底に回復が進んでいる。他方で設備投資(ソフトウェア除く)は同▲1.4%と減少が続いており、企業の慎重姿勢が示された。この結果などを受け、2020年10-12月期の実質GDP成長率は前期比年率+11.7%(前期比+2.8%)と1次速報から下方修正された。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
-
SSBJの日本版サステナビリティ開示基準案
プライム市場上場会社は適用が義務化される見通し
2024年04月12日
-
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
-
日本経済見通し:2023年3月
2023年春闘では大幅ベアに/物価高の中でも好調な企業収益の背景
2023年03月22日
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
SSBJの日本版サステナビリティ開示基準案
プライム市場上場会社は適用が義務化される見通し
2024年04月12日
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
日本経済見通し:2023年3月
2023年春闘では大幅ベアに/物価高の中でも好調な企業収益の背景
2023年03月22日