経済指標の要点(2/17~3/16発表統計分)

RSS

2021年03月16日

  • 経済調査部 エコノミスト 岸川 和馬
  • 経済調査部 研究員 中田 理惠
  • 和田 恵
  • 渡辺 泰正

サマリー

◆【企業部門】2021年1月の輸出や生産活動は、財とサービスで明暗が分かれた。輸出数量指数は前月比+2.6%と2ヶ月ぶりに上昇した。とりわけアジア向けの輸出が全体を押し上げた。鉱工業生産指数は同+4.3%と3ヶ月ぶりに上昇した。これらは中国の春節を前にした駆け込み輸出が要因とみられる。他方、第3次産業活動指数は同▲1.7%と3ヶ月連続で低下した。緊急事態宣言の再発出などを背景に、「生活娯楽関連サービス」が全体を大きく押し下げた。

◆【家計部門】2021年1月の消費、雇用、賃金はまちまちの内容であった。二人以上世帯の消費額は前月比▲7.3%と、緊急事態宣言の再発出を受けて2ヶ月ぶりに減少した。雇用・所得関連指標では有効求人倍率が1.10倍に上昇し、完全失業率は2.9%へと低下した。緊急事態宣言中に指標が改善しており、総じて見れば雇用環境は上向いているとみられる。現金給与総額は前年比▲0.9%と、前月の大幅な落ち込みからやや持ち直したものの、依然として前年割れが続いている。

◆【四半期指標】2020年10-12月期の全産業(金融業、保険業除く)の売上高は前期比+2.5%、経常利益は同+15.5%と、いずれも4-6月期を底に回復が進んでいる。他方で設備投資(ソフトウェア除く)は同▲1.4%と減少が続いており、企業の慎重姿勢が示された。この結果などを受け、2020年10-12月期の実質GDP成長率は前期比年率+11.7%(前期比+2.8%)と1次速報から下方修正された。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。