サマリー
◆【企業部門】前月まで全体的な低下基調が続いていたが、7月は一部に底入れの兆しが見られた。輸出数量は前月比+1.5%と2ヶ月連続で増加しており、下げ止まりの兆しが見られる。機械受注は同▲6.6%の減少であったものの、前月大幅増となった業種の反動減という特殊要因によるもので、全体の基調としては弱くない。一方、鉱工業生産指数は、単月では同+1.3%の上昇となったものの、4-6月の水準を下回っている。
◆【家計部門】雇用は増加基調を維持したものの、消費、賃金は減少した。7月の個人消費は、梅雨が長引いたことでサービス消費が減少し、前月比▲0.9%となった。また、実質賃金(共通事業所ベース、大和総研試算)は前年比▲1.6%とマイナスへ転じた。就業者数(季節調整値)は増加(前月差+15万人)したが、非正規雇用者の増加が全体を押し上げており、正規雇用者数の伸びは鈍化している。
◆【四半期指標】2019年4-6月期の法人企業統計(季節調整値)によると、全産業(金融業、保険業除く)の売上高は前期比▲0.1%、経常利益は同▲5.0%となった。経常利益を業種別に見ると、製造業は米中貿易摩擦が激化し、世界経済が減速する中、同▲0.5%と2四半期ぶりの減益となった。他方、非製造業は前期の純粋持株会社の大幅増からの反動で、同▲6.9%と3四半期ぶりの減益となった。2019年4-6月期の実質GDP成長率(二次速報)は前期比年率+1.3%(前期比+0.3%)と、一次速報(前期比年率+1.8%、前期比+0.4%)から下方修正された。下方修正の主因は、法人企業統計の結果を受けた民間企業設備の下方修正(前期比+1.5%→同+0.2%)である。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
-
SSBJの日本版サステナビリティ開示基準案
プライム市場上場会社は適用が義務化される見通し
2024年04月12日
-
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
-
日本経済見通し:2023年3月
2023年春闘では大幅ベアに/物価高の中でも好調な企業収益の背景
2023年03月22日
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
SSBJの日本版サステナビリティ開示基準案
プライム市場上場会社は適用が義務化される見通し
2024年04月12日
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
日本経済見通し:2023年3月
2023年春闘では大幅ベアに/物価高の中でも好調な企業収益の背景
2023年03月22日