サマリー
◆【8月の消費】複数の統計でまちまちの結果となったものの、合わせて見ると前月から小幅に増加したとみられる。需要側の統計に関して、家計調査では、実質消費支出は前月から大幅に増加したが、前月が高額・低頻度消費によるぶれにより実態より弱かった可能性があることから、伸び率は割り引いて見る必要があろう。一方、単身世帯も含めたCTIミクロでは、実質消費支出は前月からわずかながらも減少している。両者を総合すると、需要側は横ばい圏の推移とみられる。他方、供給側の商業動態統計の小売販売額は、名目・実質ともに増加した。内訳については、需要側・供給側双方の統計において、自動車の購入・販売の好調さが際立つ結果となった。
◆【先行き】実質個人消費は、名目賃金増加の効果が、原油高などを背景とした物価高によって相殺され、横ばい圏で推移するとみている。足下で、エネルギー価格や生鮮食品価格の上昇を背景に、家計の直面する物価は大きく上昇している。物価の上昇が家計の節約志向を一層強める可能性には注意が必要だ。なお、今年の秋・冬は平年より暖かくなる見込みで、天候要因は消費にマイナスに働きそうだ。
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