6月消費統計

GDPベースの個人消費は減少へ転じるも、先行きは強気を維持

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2015年07月31日

サマリー

◆2015年6月の家計調査によると、実質消費支出は季節調整済み前月比▲3.0%と減少した。振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)で見ても同▲2.6%と減少した。


◆実質消費支出の動きを費目別にみると、「交通・通信」(前月比▲7.6%)、「住居」(同▲8.7%)、「諸雑費」(同▲8.9%)、「被服及び履物」(同▲9.1%)、「家具・家事用品」(同▲10.6%)、「教養娯楽」(同▲0.9%)など幅広い費目で前月から減少した。「交通・通信」では自動車等関係費、「住居」では設備修繕・維持といった振れの大きい項目が大きくマイナスに寄与したとみられる。


◆ただし、先行きの個人消費は増加へ転じるとみている。すでにスタートしている7-9月期の前半に関しては、特殊要因がプラスに作用したとみられる。すなわち、4-6月期の下押し要因となった天候要因とクリアランスセールの後ろ倒しといった要因が個人消費の増加に寄与したとみている。加えて、所得環境の一層の改善も個人消費を押し上げる要因となろう。個人消費の前提となる賃金の動きを確認すると、一般労働者、パートタイム労働者の双方で上向いている。さらに、年金改定率も上昇に転じたことが、高齢者の個人消費を下支えするだろう。

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