今後10年間の為替レートの見通し

5年程度の円安期間を経て再び円高へ。3つの円高リスクに注意。

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2014年02月06日

  • 小林 俊介

サマリー

◆2014年2月5日、大和総研では「日本経済中期予測(2014年2月)—牽引役不在の世界経済で試される日本の改革への本気度」を発表した。本稿では、同予測における為替レートの見通しについて、要因分解を用いながら整理しつつ、代替的なリスクシナリオについても考察し、リスクシミュレーションを行った。


◆日米のインフレ格差が継続(米>日)するとの前提に立てば、円ドルレートは長期的には円高方向へ向かうだろう。ただし短期~中期的循環を考えると、予測期間の前半において日米金利差が拡大する局面では円安が進む可能性が高い。予測期間の後半においては日米金利差が縮小する中で円安要因は剥落し、円高が進むとみられる。


◆短期的な為替レートのスイングを決定するその他の要因としてリスク選好度が挙げられる。想定以上の円高進行という代替シナリオをもたらしうるリスク要因としては、米国金融政策の過度の引締めへの転換を受けたグローバルマネーフローの動揺、中国経済の崩壊、ユーロ問題の再発などに注意が必要だろう。

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