2012年1-3月期GDP2次速報~1次速報から小幅に上方修正

日本経済は緩やかな回復軌道を辿るものの下振れリスクに注意

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2012年06月08日

  • 金融調査部 主任研究員 長内 智
  • 調査本部 副理事長 兼 専務取締役 調査本部長 チーフエコノミスト 熊谷 亮丸

サマリー

◆2012年1-3月期の実質GDP成長率(2次速報)は前期比年率+4.7%(前期比+1.2%)と概ね市場コンセンサス(同+4.5%、同+1.1%)に沿った結果となった。設備投資が上方修正されたため、1次速報値(前期比年率+4.1%、前期比+1.0%)から小幅に上方修正された。

◆需要項目別に見ると、設備投資が上方修正され、実質GDP成長率を押し上げた。今回の設備投資の修正は需要サイドの基礎統計である2012年1-3月期の法人企業統計の設備投資動向を反映したことによる。法人企業統計の設備投資は2四半期振りのマイナス成長であったものの、GDP1次速報時点での想定よりもマイナス幅が小幅なものに留まったため、今回の上方修正につながった。

◆今回の結果は、当社の景気判断に修正を迫るものではなかった。日本経済の基本シナリオは、東日本大震災に伴う復興需要が支えとなり、緩やかな回復軌道を辿る見込みである。2012年4-6月期の実質GDP成長率は、タイの大洪水からの復旧需要やエコカー補助金の効果で強めの成長率となった2012年1-3月期よりも減速するとみられる。

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