サマリー
◆6月19日にロンドンの金融街(シティ)にあるギルドホールにて、安倍首相による経済政策に関する演説が行われた。演説時間は40分程度(演説+Q&A)と短い時間であったが、アベノミクスの取り組みを説明する重要な機会となった。
◆6月17日、18日に開催されたG8ロック・アーン・サミットでは、骨太の方針に掲げられた「財政規律」に対し、各国首脳が懐疑的であったという論調が日本のメディアでは目についた。しかし、今回の経済演説も含めて、現地シティの金融関係者からの反応としては、むしろ「成長戦略」に対する不満が多いといえる。
◆今回の欧州歴訪で、市場から疑問符を突き付けられている「アベノミクス」に対する懸念を払拭できたと判断するのは時期尚早かもしれない。海外の投資家が本当に望んでいることを訴えかけない限り、その効果は限定的になるともいえる。「アベノミクス」が市場に与える影響がノーマル(想定内)か、アブノーマル(想定外)かを判断できるのは、秋の成長戦略第2弾以降に持ち越されたともいえよう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
-
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
-
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
-
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日