サマリー
◆この状況下でユーロ圏経済は10-12月期に10四半期ぶりに前期比マイナス成長に転じると予想される。ユーロ圏財政危機に関する先行き不透明感は企業と消費者の不安を高めた。また、ユーロ圏の景気停滞や銀行部門の収縮が、世界経済の成長抑制要因となることへの警戒感も急速に高まっている。12月のEU首脳会議の決定事項がマインド改善材料とならなかったこともあり、2012年1-3月期もマイナス成長が継続する可能性が出てきている。ECBは12月に0.25%の利下げを実施。さらに銀行の資金調達のハードルを下げるべく、担保資産要件の緩和や3年という長期オペの導入も決定し、銀行に対して「最後の貸し手」としての機能を強めている。どのような方法を採るかは議論があろうが、ユーロ圏加盟国に対しても「最後の貸し手」となることが必要であり、その最終決断の時期が迫っていると考える。リスクシナリオはこの決断の先送りが続くことで、その場合には2012年を通じてマイナス成長から脱することができなくなるだろう。
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