2012年度の企業の資金調達動向

全体的には低迷するも、医療・福祉業など成長分野の資金需要は旺盛

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サマリー

◆2012年度の企業部門における資金調達は、銀行借入やCPの発行などによる調達には増加がみられたものの、増資や社債発行など資本市場を通じた資金調達は低調であった。また、銀行借入の増加も一部大企業が銀行から支援を受けた影響が大きいことから、企業活動が活発化したことに伴う資金需要の増加とは言い難い。


◆しかし、細かい部分をみていくと、成長企業・成長分野などにおいては資金調達を積極化する動きも窺える。例えば医療・福祉業の設備資金の新規借入や、企業の海外進出に伴う資金調達には増加の傾向がみられ、また新規公開(IPO)により株式市場から資金調達した企業数も近年増加している。


◆安倍政権が2013年6月に公表予定の成長戦略では、目標として“企業の設備投資を3年間で70兆円に回復”が掲げられる見込みである。大企業を中心に企業部門の手元資金は潤沢といわれているが、創業まもない企業や新たな事業に取組む企業は資金面で不安定であり、円滑な資金供給が求められる。

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