サマリー
「アベノミクス」への期待から、家計の金融資産に変化の兆しが現れている。これまで「貯蓄から投資」が進まなかった背景には、「期待収益率の低迷」「所得環境の悪化」といった経済環境によるものや、「マイホーム志向」「終身雇用システム」といった社会構造によるものが挙げられる。
アベノミクスが目指す「デフレ脱却」や「民間活力の爆発」が実現するならば、これまでの環境は一変し、「貯蓄から投資」が進む可能性が高まるだろう。さらに、雇用制度改革や社会保障制度改革の動きが、家計に自助努力による資産形成を迫ることになる。
本稿では、特に「マイホーム志向」に関して検討を深めた。これまで、住宅ローン債務を抱える若年層にはリスク資産投資の余裕はなく、高齢層でも流動性の低い不動産の保有がネックになっていた。
これらを踏まえると、①若年層への資産承継を促進し、抱えてきた債務負担を軽減させること、②高齢層の保有する不動産の資金化を容易にすること——により過度の現預金志向を緩和させる必要があるだろう。
大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
-
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
-
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
-
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日