大和総研
長期シミュレーションからみた公的債務管理の課題と展望

2005年5月2日

公的債務管理政策は国債市場のインフラの整備、国債の種類の多様化といった側面に加え、巨大な債務残高の総合的マネージメントという側面からのアプローチが必要であり、今後の焦点は後者に当てられるべきである。

当社モデルによる長期見通しでは、二度の消費税引き上げ(2008年度5%→7%、2012年度7%→10%)を前提としても、中央・地方政府債務残高の名目GDP比はほぼ横ばいとなる。加えて、これまでは金利低下が債務残高の増加を相殺し、利払い負担の増加を抑制してきたが、その効果は出尽くしとなる。リスクプレミアムが長期金利の上昇をもたらせば、事態は一段と深刻化しよう。

このような状況下では、財投・公的金融改革を含め公的部門内でのマネーフローを、統合的に把握する必要性が大きい。多種多様な政策に係る公的債務を戦略的にマネージしていくには、強力な調整機能が必要となる。

このためには経済財政諮問会議等における行政的対応に加え、国会にその機能を付与することも一案である。財政問題のより高次の責任は国会にあり、今後、国民生活に大きな影響を与えうる国家的な課題であることから、民主的なコントロールとチェック機能の強化が必要不可欠と考える。

具体的には、中長期的視点からの問題ゆえ、参議院の調査会の活用が適当であろう。更に当該調査会を日本版CBO(議会予算局)の創設へと発展させて行くことが望まれる。

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