世界経済 欧州経済
高年齢者雇用レポート⑥英国:長期就業文化の定着

就業継続を希望する高齢者とそれを支援する政府の意向が一致

2015年7月15日

サマリー

◆イギリスにおける退職のタイミングは遅く、就業年数はEU平均を3年も上回る。高齢化が進む中、政府は積極的に高齢者の就業支援を行う一方で、就業者側も長く働きたいという意思が強く、両者の意向が一致している。

◆高齢者が就業を継続する主な理由には、貯蓄率の低さと年金水準の低さがある。年金水準はそれほど高くなく、年金所得だけでは生活が成り立たないという実情があるようだ。政府の政策は主に、年金制度の段階的な修正が中心である。年金支給開始年齢の引き上げや、定年制の廃止、年金受給の繰り下げによるメリットの拡大等である。労働政策に関する財政支出は、失業手当などの「消極的労働市場政策」分野から職業紹介などの「積極的労働市場政策」分野に重点を移している。

◆高齢者の雇用形態で見ると、自営業者が多い。また、現役から退職の移行期において、パートタイムやフレックスを利用する割合が高い等、柔軟性の高い雇用形態が採用されている。賃金を確認すると、40歳以降ではEU平均と比較して下落率が大きい。

◆高齢者の就業率が国際水準を上回る背景には、高齢者の不十分な資産形成がある。政府もその点を懸念しており、2014年の年金法では、現行よりも分かりやすい年金制度にすることで、自身が将来どの程度年金を受給できるのか認識できる仕組みとしている。

お気に入りへ登録

この記事を「お気に入りレポート」に登録しておくことができます。

このレポートのURLを転送する

  • @

おすすめ関連レポート

お問い合わせ

PDFファイルの閲覧にはAdobe® Reader®新しいウィンドウで開きますが必要となります。お持ちでない方は、アドビ システムズのウェブサイトから無償ダウンロードができます。
なお、Adobe® Reader®のインストール方法は、アドビ システムズ ウェブサイト新しいウィンドウで開きますをご覧ください。

Get Adobe® Reader®

リサーチ

リサーチメールマガジン

大和総研研究員によるレポートやコラム、書籍・刊行物などの最新情報を適宜お届けします。

ダイワインターネットTV

2016年11月16日
トランプ新大統領の今後と金融政策への影響

2016年10月26日
米国大統領・議会選挙のポイント

2016年9月28日
2016年9月FOMCのポイントと金融政策の見通し

書籍

川村 雄介 監修・著、
大和総研 著
『習近平時代の中国人民元がわかる本』

誕生から半年が過ぎようとして、“改革”に力が入る中国・習近平政権。なかでも、人民元は、中国が世界にアピールできる1つの武器となっている。本書では、人民元に対する素朴な疑問から、中国が目指す未来まで分かりやすく解説。そして、変わりゆく人民元に投資する際の留意点なども指摘している。

川村 雄介 監修・著、
大和総研 著
『ミャンマー開国 ― その経済と金融 ―』

民主化政策への転換を図り、開国したミャンマー。本書では、ミャンマーの歴史・政治体制を俯瞰し、人的資本、産業構造、対外関係、金融・財政などを統計に基づき客観的に解説、抱える課題や今後の経済発展に必要な政策についても述べています。ミャンマーをより深く理解して頂くため、多くのビジネスマンに活用して頂ければ幸いです。