欧州経済
ギリシャ問題はまだ続く

水曜日までに構造改革? ギリシャ情勢の今後の見通し

2015年7月15日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト 菅野 泰夫

サマリー

◆7月13日朝、17時間におよぶユーロ圏首脳会合での協議の末、遂にギリシャ債務危機に関する支援合意にたどり着いた。土壇場でギリシャのユーロ離脱(Grexit)は回避されることとなったが、最終的にユーログループから突きつけられた要求に対して(ギリシャ議会での)即時の法制化が求められており、予断を許さない状況に変わりはない。

◆7月15日の水曜日までに合意案を法制化するための最大の障壁は与党SYRIZAの動向であろう。急進左派としては久々に欧州内で政権を握ったSYRIZAは、2012年に様々な活動家(社会主義、共産主義、反ファシスト)などの寄せ集めで作られた政党である。政権公約に対しても反緊縮のみの単一イシューで集結していた感が否めず、自ら厳しい緊縮策を法制化すること自体、政権公約から乖離するため党の分裂は免れない。

◆ドイツが7月12日のユーログループで提案した「一時的なGrexit」の一文の削除には成功したものの、今回の合意案を全て受け入れることは、近い将来ギリシャ政府にとって自らGrexitを選択せざるを得ない状況に追い詰められるといっても過言ではない。現状のギリシャ情勢では景気回復は望めず、不況がさらに続くことは目に見えている。その結果、プライマリーバランスの達成目標が未達に終わり、自動的な歳出削減が起こりさらに経済が縮小していくという悪循環に陥る。特に債務減免無しでこの緊縮策の全面受け入れを行うことは、ほぼ自殺行為であり、近い将来、同じ債務問題が繰り返し起こる可能性は高い。

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