欧州経済
欧州経済見通し リスクは過度な通貨高

ユーロ圏、英国ともエネルギー価格下落が物価を押し下げ

2014年4月18日

サマリー

◆ユーロ圏の3月の消費者物価上昇率は前年比+0.5%に低下し、ECB(欧州中央銀行)が目指す「前年比+2.0%をやや下回るインフレ率」からさらに乖離してしまった。ただし、イースターが昨年は3月、今年は4月とずれたことが物価下押しに作用したと考えられ、また4月のエネルギー価格は3月ほどには下落しないと見込まれるため、4月の消費者物価上昇率は前年比+0.8%程度に加速すると予想する。ユーロ圏は内需を中心に緩やかな景気回復の初期過程にある。景況感は改善トレンドを維持しており、景気回復が継続するとの見通しをメインシナリオに考えている。

◆景気回復シナリオのリスクは、急速なユーロ高の進行と考えられる。ユーロ高はようやく回復の兆しが出てきたユーロ圏の輸出にマイナス材料となる。また、ウクライナ問題の解決の見通しがなかなか立たないことに加え、5月は欧州議会選挙があり、フランスを中心に欧州の政治動向が注目されやすくなるのではないかと予想している。

◆英国では最新(2013年12月-2014年2月の平均)の失業率が6.9%となり、5年ぶりに7.0%を下回った。就業者数も引き続き拡大傾向にあるため、内需主導の経済成長が続くと見込まれる。ただ、同時期の賃金上昇率は前年比+1.7%となり、4年ぶりにようやく消費者物価上昇率を上回ったばかりである。他方で住宅価格の上昇はこのところ加速が見られ、これが英中銀(BOE)がユーロ圏はむろんのこと、米国にも先んじて利上げに踏み切るのではないかという観測を呼んでいる。ただ、BOEは住宅市場の過熱に対して、利上げよりも住宅ローン奨励策の制限などで対応する方針で、金融政策の方針転換に関しては、景気の強さを見極めつつ、2015年の課題となると予想している。

レポートをダウンロードする

お気に入りへ登録

この記事を「お気に入りレポート」に登録しておくことができます。

このレポートのURLを転送する

  • @

おすすめ関連レポート

お問い合わせ

PDFファイルの閲覧にはAdobe® Reader®新しいウィンドウで開きますが必要となります。お持ちでない方は、アドビ システムズのウェブサイトから無償ダウンロードができます。
なお、Adobe® Reader®のインストール方法は、アドビ システムズ ウェブサイト新しいウィンドウで開きますをご覧ください。

Get Adobe® Reader®

リサーチ

リサーチメールマガジン

大和総研研究員によるレポートやコラム、書籍・刊行物などの最新情報を適宜お届けします。

ダイワインターネットTV

2016年11月16日
トランプ新大統領の今後と金融政策への影響

2016年10月26日
米国大統領・議会選挙のポイント

2016年9月28日
2016年9月FOMCのポイントと金融政策の見通し

書籍

川村 雄介 監修・著、
大和総研 著
『習近平時代の中国人民元がわかる本』

誕生から半年が過ぎようとして、“改革”に力が入る中国・習近平政権。なかでも、人民元は、中国が世界にアピールできる1つの武器となっている。本書では、人民元に対する素朴な疑問から、中国が目指す未来まで分かりやすく解説。そして、変わりゆく人民元に投資する際の留意点なども指摘している。

川村 雄介 監修・著、
大和総研 著
『ミャンマー開国 ― その経済と金融 ―』

民主化政策への転換を図り、開国したミャンマー。本書では、ミャンマーの歴史・政治体制を俯瞰し、人的資本、産業構造、対外関係、金融・財政などを統計に基づき客観的に解説、抱える課題や今後の経済発展に必要な政策についても述べています。ミャンマーをより深く理解して頂くため、多くのビジネスマンに活用して頂ければ幸いです。