欧州経済
ウクライナはキューバ危機の再来となるのか?

ドイツ・中国では仲裁は困難か

2014年3月12日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト 菅野 泰夫

◆ロシア軍によるクリミア半島制圧を受けて、クリミア自治共和国のロシア帰属を問う住民投票が3月16日に実施されることとなった。今回の住民投票は、クリミア自治共和国の人口の6割がロシア系住民であるため、ロシアへの帰属を選択することがほぼ確実となっている。米国および現ウクライナ暫定政権は、今回の投票結果を認めないことを既に表明しているが、ロシア側も譲歩する姿勢を崩していない。

◆西側諸国は今回の住民投票の結果を無効として、新たに段階的な制裁を検討しているが、その内容は若干迫力に欠ける印象を受ける。EUによる制裁内容が弱腰である理由のひとつとして、ロシア側が(制裁の報復として)輸出するガス価格の引き上げに踏み切る公算が高いことが挙げられる。足下、欧州ではロシア産の天然ガスの輸入量を急増させており、結果的に、商品市場の価格は高騰しCTA等のヘッジファンドの格好のターゲットとなりつつある。

◆3月16日のクリミア住民投票以降は、本格的に制裁とその報復が繰り返されるなど、さらなる両国間の関係悪化が懸念されている。このままでは、ロシア・米国の関係は、米ソ冷戦の緊張が、核戦争の瀬戸際までいったキューバ危機(1962年)以来の悪化となる可能性も否定できない。両国首脳が過去の冷戦を再認識した上で、冷静な対応が求められることは言うまでもないであろう。

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