欧州経済
スウェーデンの社会保障制度に学ぶ

~社会保障制度の持続性こそ成長戦略の基盤~『大和総研調査季報』 2012年新春号(Vol.5)掲載

サマリー

日本では人口高齢化と景気停滞の長期化が国家財政を著しく悪化させており、社会保障と税制度の改革が喫緊の課題である。野田政権は消費税率の引き上げを盛り込んだ「一体改革案」の作成を急いでいるが、国民負担の増大に対する反対意見は根強い。

ところで欧州で高福祉・高負担の代表格であるスウェーデンは、先進国の中で相対的に高い成長率を維持しており、高負担が成長の阻害要因とはなっていない。スウェーデンでも1980年代半ば以降、高齢化に伴う社会保障制度の危機を経験したが、年金制度を筆頭に様々な改革を敢行し、高福祉と経済成長を両立させている。注目されるのは、社会保障制度の持続可能性を一貫して重視し、より良い制度構築を目指して改革の手を緩めないところである。また、スウェーデンの社会保障制度は「効率的な経済発展のために家庭や企業だけでは不足する部分を補うもの」と捉えられているようである。その筆頭が再雇用を支援する積極的労働市場政策だが、年金や子育て支援も同様の考え方が根底にあり、これは日本の社会保障制度の見直しで、ぜひ実践するべき点であると考える。

大和総研 調査本部が、その長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、経済、金融資本市場及びそれらを取り巻く制度を含め、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。

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2016年7月7日
欧州経済・金融見通し ~英国は本当にEUを離脱するのか?~

書籍

川村 雄介 監修・著、
大和総研 著
『習近平時代の中国人民元がわかる本』

誕生から半年が過ぎようとして、“改革”に力が入る中国・習近平政権。なかでも、人民元は、中国が世界にアピールできる1つの武器となっている。本書では、人民元に対する素朴な疑問から、中国が目指す未来まで分かりやすく解説。そして、変わりゆく人民元に投資する際の留意点なども指摘している。

川村 雄介 監修・著、
大和総研 著
『ミャンマー開国 ― その経済と金融 ―』

民主化政策への転換を図り、開国したミャンマー。本書では、ミャンマーの歴史・政治体制を俯瞰し、人的資本、産業構造、対外関係、金融・財政などを統計に基づき客観的に解説、抱える課題や今後の経済発展に必要な政策についても述べています。ミャンマーをより深く理解して頂くため、多くのビジネスマンに活用して頂ければ幸いです。