新興国経済
新興国マンスリー(2011年9月)ブラジルの利下げが転換点?

~新興国の景気底入れのきっかけになるか~

2011年9月5日

ロンドンリサーチセンター 児玉 卓
新興国リサーチチーム

サマリー

◆金融市場の懸念が「景気悪化が進んだ場合の政策対応余地の限界」に向けられる中、トルコ、ブラジルが予想外の金融政策転換を行った。より重要なのはブラジルの利下げである。多くの国は景気減速とインフレ高進・高止まりのジレンマに直面しているが、同じジレンマを抱えるブラジルの政策転換が、他国の追随を生むかが当面の焦点である。

◆ブラジルには通貨の弱さ、通貨の下落はむしろ歓迎という事情があり、他国よりも利下げに動きやすい条件があったことは確かである。少なくとも金融市場の不安定性が残る中で、通貨下落を助長しかねない利下げに転じる国はあったとしても少数だろう。しかし、グローバル経済の悪化懸念は、各国のインフレ心理が不安定化するリスクを減じており、利上げ打ち止めを決める国は増えてくる可能性がある。その実体経済への波及には時間がかかるが、期待のレベルであるにせよ、最近さえない自動車等の耐久財需要の底打ちから始まり、世界経済の不調脱却のルートが見えてくれば、金融市場の安定化には資する。

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書籍

川村 雄介 監修・著、
大和総研 著
『習近平時代の中国人民元がわかる本』

誕生から半年が過ぎようとして、“改革”に力が入る中国・習近平政権。なかでも、人民元は、中国が世界にアピールできる1つの武器となっている。本書では、人民元に対する素朴な疑問から、中国が目指す未来まで分かりやすく解説。そして、変わりゆく人民元に投資する際の留意点なども指摘している。

川村 雄介 監修・著、
大和総研 著
『ミャンマー開国 ― その経済と金融 ―』

民主化政策への転換を図り、開国したミャンマー。本書では、ミャンマーの歴史・政治体制を俯瞰し、人的資本、産業構造、対外関係、金融・財政などを統計に基づき客観的に解説、抱える課題や今後の経済発展に必要な政策についても述べています。ミャンマーをより深く理解して頂くため、多くのビジネスマンに活用して頂ければ幸いです。