中国経済
絞り込みが進む投資プロジェクト

今月の視点

2013年5月28日

2013年4月、地方政府の債務が巨額かつ債務の中身が不透明だということが懸念され、中国の人民元建て長期国債が格下げされた。

地方政府の巨額債務には、地方融資平台が深く関わる。これは地方政府傘下の投資プラットフォームであり、リーマン・ショック後に行われた4兆元の景気対策の中、資金調達が制限されている地方政府の代わりに銀行融資や債券発行等で集めた多額の資金をインフラなどに投資した結果、巨額の債務を抱えた。

地方政府の債務問題に対し、中国政府は地方融資平台の資金調達手段に制限を加え、債務リスクを減少させようとしている。融資については、2013年4月10日に発表された「2013年地方融資平台のリスク監督・管理に関する指導意見」によって、キャッシュフロー比率が100%以下あるいは資産負債比率が80%を上回る地方融資平台に対して新規に貸出をする場合、すべての地方融資平台への貸出に占める当該地方融資平台への貸出の割合は2012年の水準を超えず、かつ貸出の減少および貸付金の回収を進める措置を取ることが求められた。

加えて、中国政府は地方融資平台が集めた資金を政府が推進するプロジェクトに投資させようとしている。上記の指導意見では、新規貸出の主要な資金使途として、①「公路法」に沿った有料道路関連プロジェクト、②国務院が批准し、かつ自己資金が払い込まれている重大プロジェクト、③「土地備蓄と融資管理の強化に関する通知」の要件を満たし、かつ国土資源部に登録している土地備蓄機関による土地収用プロジェクト、④保障性住宅関連プロジェクト、⑤進行度が60%以上かつキャッシュフロー比率が100%を超えるプロジェクト、が示された。

これらの政策の影響によって、中国の投資プロジェクトは選別が進み、効率の高いプロジェクトや、保障性住宅のように政策上必要とされるプロジェクトへの投資の集中が一層進むと考えられる。

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2016年7月7日
欧州経済・金融見通し ~英国は本当にEUを離脱するのか?~

書籍

川村 雄介 監修・著、
大和総研 著
『習近平時代の中国人民元がわかる本』

誕生から半年が過ぎようとして、“改革”に力が入る中国・習近平政権。なかでも、人民元は、中国が世界にアピールできる1つの武器となっている。本書では、人民元に対する素朴な疑問から、中国が目指す未来まで分かりやすく解説。そして、変わりゆく人民元に投資する際の留意点なども指摘している。

川村 雄介 監修・著、
大和総研 著
『ミャンマー開国 ― その経済と金融 ―』

民主化政策への転換を図り、開国したミャンマー。本書では、ミャンマーの歴史・政治体制を俯瞰し、人的資本、産業構造、対外関係、金融・財政などを統計に基づき客観的に解説、抱える課題や今後の経済発展に必要な政策についても述べています。ミャンマーをより深く理解して頂くため、多くのビジネスマンに活用して頂ければ幸いです。