中国経済
中国:内需回復の二段式ロケット、一段目に点火

サマリー

◆中国経済は輸出不振と投資主導の内需回復の綱引きが続こう。HSBCの中国製造業PMI、輸出先の主要先進国・地域の製造業PMIといった先行指標からは、年内の輸出ペースの回復は難しいことが示唆される。今後の景気回復は、内需への依存を高めざるを得ない。

◆金融は2月下旬以降、明確に緩和に転じ、3月以降は貸出額も概ね順調に増えている。これが、内需(投資)テコ入れの第一歩であり、大和総研では、二段式ロケットの一段目への点火は既に行われたと判断している。足元で貸出増加額が上積みされる一方、中長期の割合が極端に低下しているのは、新たな投資プロジェクトが始動していないためである。6月以降、中国政府はプロジェクトの前倒し認可を進めることで、景気テコ入れを図る方針を発表しており、こうしたプロジェクトが動き出せば、貸出の中身も中長期中心に変わっていく。これがロケットの二段目への点火であり、投資が加速するシグナルとなろう。タイミングとしては、2012年10月~12月以降に注目している。

◆ただし、中国経済への過度の期待は禁物である。地方政府の債務問題や不動産価格抑制策の継続など、リーマン・ショック後の4兆元の景気対策の後始末が未だに続いている。4兆元の景気対策との比較でいえば、今回は、投資全体ではなく、農業、インフラ、保障性住宅、戦略的新興産業など民生改善や産業構造高度化につながる投資の増加が意図される。経済成長率は、10%成長への回帰ではなく、8%強への着地が目指されているのである。

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2016年7月7日
欧州経済・金融見通し ~英国は本当にEUを離脱するのか?~

書籍

川村 雄介 監修・著、
大和総研 著
『習近平時代の中国人民元がわかる本』

誕生から半年が過ぎようとして、“改革”に力が入る中国・習近平政権。なかでも、人民元は、中国が世界にアピールできる1つの武器となっている。本書では、人民元に対する素朴な疑問から、中国が目指す未来まで分かりやすく解説。そして、変わりゆく人民元に投資する際の留意点なども指摘している。

川村 雄介 監修・著、
大和総研 著
『ミャンマー開国 ― その経済と金融 ―』

民主化政策への転換を図り、開国したミャンマー。本書では、ミャンマーの歴史・政治体制を俯瞰し、人的資本、産業構造、対外関係、金融・財政などを統計に基づき客観的に解説、抱える課題や今後の経済発展に必要な政策についても述べています。ミャンマーをより深く理解して頂くため、多くのビジネスマンに活用して頂ければ幸いです。