中国経済
資金流出で金融緩和余地が拡大

今月の視点

2012年1月26日

経済調査部 新田 尭之
2011年12月の中国の外国為替資金残高は1,003億元減少し、3ヵ月連続の減少となった。

昨年11~12月にBRICs諸国のすべてで外貨準備が減少したことから、これは国内要因(例えば、自国経済の減速懸念)ではなく、国外要因が主因と考えられる。具体的には、欧州債務危機の深刻化により海外の金融機関が自己資本の増強に迫られ、また投資家がリスク回避的になったことで、資金が新興国から流出したことが主因だろう。昨年10~12月の中国のホットマネー(外国為替資金残高増減-貿易収支-直接投資で計算)は合計で6,426億元の流出となり、これは四半期ベースでは2005年以降最大となった。

中国は2000年から2011年夏場にかけて、海外から国内へ多額の資金が流入した。中国人民銀行を中心にした金融機関はこの外貨資金を買い入れし、それに見合う人民元を放出。これが外国為替資金残高として積み上がったのである。当然、人民銀行は流動性吸収のために売りオペや預金準備率の引き上げを行ったが、不胎化しきれなかった部分は過剰流動性となり、不動産バブルや物価上昇の一要因となった。しかし今回、中国国内から海外へ資金がネットで流出し、当面は少なくともこれまでのように資金が急激に流入することは考えにくい。人民銀行が預金準備率を高い水準で保つ理由の1つは大きく後退したのである。人民銀行は、昨年12月5日に預金準備率を引き下げたが、今後の引き下げ余地は大きく拡大しているといえよう。

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