証券・金融取引の法制度
バーゼルⅢ、ボルカー・ルールで増大する金利リスク

邦銀の国債投資増加により、1%pt の金利上昇で3兆円の評価損発生との推計も

2012年2月14日

サマリー

◆2013年から適用されるバーゼルⅢでは、自己資本の質・水準が大幅に引き上げられるため、銀行によってはROE(自己資本利益率)が低下すると予想される。これに対して、銀行が拡大すると予想されるビジネスの一つが国債投資である。国債は、バーゼル規制上、自国通貨建ての自国国債は標準的手法ではリスク・ウェイトが0とされており、また、流動性カバレッジ比率規制(2015年から導入予定)によっても保有が促進される。

◆バーゼルⅢの内容が固まる以前から、邦銀は国債投資を増加させており、2011年12月時点で約163兆円の国債を保有している。その結果、金利が上昇した際に損失を被るリスクである「金利リスク」が蓄積されている。

◆このような状況において、米国のボルカー・ルールによって、米銀等の日本国債の売買が禁止される可能性が生じ、金利リスクの顕在化のきっかけとなる懸念が生じている。わが国当局は米国当局に日本国債をボルカー・ルールの例外とするよう要請しているが、予断を許さない状況である。邦銀にとって、金利リスクの管理が益々重要となっている。

お気に入りへ登録

この記事を「お気に入りレポート」に登録しておくことができます。

このレポートのURLを転送する

  • @

おすすめ関連レポート

お問い合わせ

PDFファイルの閲覧にはAdobe® Reader®新しいウィンドウで開きますが必要となります。お持ちでない方は、アドビ システムズのウェブサイトから無償ダウンロードができます。
なお、Adobe® Reader®のインストール方法は、アドビ システムズ ウェブサイト新しいウィンドウで開きますをご覧ください。

Get Adobe® Reader®

リサーチ

リサーチメールマガジン

大和総研研究員によるレポートやコラム、書籍・刊行物などの最新情報を適宜お届けします。

ダイワインターネットTV

2016年6月29日
変わるDC(確定拠出年金)制度 ~広く国民が活用できる制度に~

書籍・刊行物

大和総研 金融調査部 制度調査課 著
すぐに役立つ税金ガイド 税金読本(2016年度版)

ジュニアNISAの開始や、個人番号(マイナンバー)制度の導入など、最新の税制改正を反映した2016年度版の「税金読本」を刊行いたしました。本書では、個人投資家の方が証券投資を行う上での税制、および、相続・贈与・不動産に関する税制をわかりやすく解説しています。

是枝 俊悟 著
『NISA、DCから一括贈与まで 税制優遇商品の選び方・すすめ方』

FP(フィナンシャルプランナー)や金融機関にお勤めの方など、金融商品を提案する方に向けたNISA、DC(確定拠出年金)、一括贈与などの税制優遇商品の解説書です。NISAやDCなどの税制優遇商品の「本当の魅力」を他制度と比較分析した上で再発見し、資産運用の動機別に「このお客様にはどの制度を提案したらよいか」を紹介します。

大和総研 金融調査部制度調査課 著
バーゼル規制とその実務

複雑なバーゼルⅢを含むバーゼル規制全体の内容を整理し、Q&A形式(117項目)で解説しています。解説にあたっては、2013年11月末までに公表されたわが国の規制、告示、Q&Aや監督指針を可能な限り盛り込んでいます。また、バーゼル2.5やバーゼルⅢの導入の影響を、大和総研独自のアンケート調査を踏まえて分析しています。