金融システムの諸問題
流動性カバレッジ比率(LCR)の告示案

【金融庁告示案】国際統一基準行、2015年3月末よりLCRの段階適用

2014年9月11日

サマリー

◆2014年7月31日、金融庁は、流動性カバレッジ比率(LCR: Liquidity Coverage Ratio)に係る「告示」の案(LCR告示案)を公表している(コメント提出期限は2014年9月1日)。

◆LCRとは、「ストレス下において30日間に流出すると見込まれる資金(分母)を賄うために、短期間に資金化可能な資産(分子)を十分に保有しているかを表す指標」を指す。バーゼル銀行監督委員会(BCBS)は、2010年12月に公表した「バーゼルⅢ」にて、新たにLCRをバーゼル規制(国際的な銀行の自己資本比率規制に関するガイドライン)に加えている。

◆LCR告示案は、BCBSが2013年1月に公表したLCRの最終報告(LCRテキスト)を、我が国の法律等に落とし込むものである。

◆LCR告示案の適用対象は、国際統一基準行である。具体的には、海外営業拠点を有する銀行、海外営業拠点を有する銀行又は長期信用銀行を子会社とする銀行持株会社、海外拠点を有する信用金庫連合会、農林中央金庫、商工組合中央金庫、最終指定親会社である。

◆当然のことながら、LCR告示案の内容は、LCRテキストの内容と概ね一致している。もっとも、一点、LCR告示案には、LCRテキストと比して不透明な部分がある。それは、流動性ストレス時における適格流動資産の利用の是非である。

◆BCBSは、LCRテキストにて、流動性ストレス時においては、適格流動資産を利用し、その結果としてLCRが100%を下回ることを許容している。

◆これに対して、LCR告示案では、そのような場合の取扱いが規定されていない。この点については、今後、「監督指針」や「Q&A」の改正にて手当てがされるか否かが注目されよう。

レポートをダウンロードする

お気に入りへ登録

この記事を「お気に入りレポート」に登録しておくことができます。

このレポートのURLを転送する

  • @

お問い合わせ

PDFファイルの閲覧にはAdobe® Reader®新しいウィンドウで開きますが必要となります。お持ちでない方は、アドビ システムズのウェブサイトから無償ダウンロードができます。
なお、Adobe® Reader®のインストール方法は、アドビ システムズ ウェブサイト新しいウィンドウで開きますをご覧ください。

Get Adobe® Reader®

リサーチ

リサーチメールマガジン

大和総研研究員によるレポートやコラム、書籍・刊行物などの最新情報を適宜お届けします。

ダイワインターネットTV

2016年11月4日
消費税増税再延期で他制度はどう変わる?

2016年10月13日
夫婦控除?上限引き上げ?配偶者控除見直しで家計と働き方はどう変わるか

書籍・刊行物

大和総研 金融調査部 制度調査課 著
すぐに役立つ税金ガイド 税金読本(2016年度版)

ジュニアNISAの開始や、個人番号(マイナンバー)制度の導入など、最新の税制改正を反映した2016年度版の「税金読本」を刊行いたしました。本書では、個人投資家の方が証券投資を行う上での税制、および、相続・贈与・不動産に関する税制をわかりやすく解説しています。

是枝 俊悟 著
『NISA、DCから一括贈与まで 税制優遇商品の選び方・すすめ方』

FP(フィナンシャルプランナー)や金融機関にお勤めの方など、金融商品を提案する方に向けたNISA、DC(確定拠出年金)、一括贈与などの税制優遇商品の解説書です。NISAやDCなどの税制優遇商品の「本当の魅力」を他制度と比較分析した上で再発見し、資産運用の動機別に「このお客様にはどの制度を提案したらよいか」を紹介します。

大和総研 金融調査部制度調査課 著
バーゼル規制とその実務

複雑なバーゼルⅢを含むバーゼル規制全体の内容を整理し、Q&A形式(117項目)で解説しています。解説にあたっては、2013年11月末までに公表されたわが国の規制、告示、Q&Aや監督指針を可能な限り盛り込んでいます。また、バーゼル2.5やバーゼルⅢの導入の影響を、大和総研独自のアンケート調査を踏まえて分析しています。