経済分析レポート
12月貿易統計

資源価格下落により貿易収支は基調的な黒字へ

2016年1月25日

  • エコノミック・インテリジェンス・チーム エコノミスト 小林 俊介

サマリー

◆2015年12月の貿易統計では、輸出金額は前年比▲8.0%と3ヶ月連続の減少となった。原油関連製品を中心に輸出価格が低下したことに加え、輸出数量も前年比のマイナス幅が拡大しており、総じて弱めの結果である。輸出品目別にみると、各地域ともに緩和的な金融環境に支えられる形で家計消費関連需要は好調であるものの、世界的に低稼働率と資源価格の下落が続く中で企業部門需要に相当する素材・資本財は不調という構造的な動きを確認させる内容となっている。

◆ただし先行きの輸出は、強弱入り混じりながらも緩やかな回復を続けるだろう。米国では家計部門を中心に底堅い景気拡大が続いており、耐久財等の輸出は増加傾向が続くものとみられる。欧州向け輸出については、原油価格下落やECBによる量的緩和の効果などから持ち直しており、均してみれば回復基調が継続すると見込んでいる。アジア経済に関しては、中国の預金準備率引き下げや利下げなどによる実体経済の底上げが確認され始めており、消費財などを中心に一段の需要減少は回避される公算が大きい。

◆なお、貿易収支は1,402億円と2ヶ月ぶりの黒字であった。季節調整値でみた貿易収支も、原油関連製品を中心とした輸入価格の低下を背景に改善しており、2ヶ月連続の黒字を記録した。2015暦年を通じてみても、貿易収支赤字は2.8兆円と前年から大幅に縮小し、2011年(2.6兆円)以来の低水準となっている。

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