経済分析レポート
7月貿易統計

底入れから横ばいへ

2015年8月19日

  • エコノミック・インテリジェンス・チーム エコノミスト 小林 俊介

サマリー

◆2015年7月の貿易統計では、輸出金額は前年比+7.6%と11ヶ月連続の増加となり、市場コンセンサス(同+5.2%)を上回った。前月の同+9.5%からは減速しているように見えるが、その主因は曜日配置の影響や円高に伴う価格効果であり、輸出数量の基調はここ3ヶ月ほど横ばいが続いている。輸入金額は同▲3.2%と7ヶ月連続の減少となり、貿易収支は▲2681億円と、4ヶ月連続の赤字となった。

◆今月の結果は、海外需要の停滞が継続していることを確認する内容であった。ただしモメンタムは最悪期を脱しており、底入れの兆しが出始めている。先行きの輸出は、強弱入り混じりながらも緩やかな回復基調に復するだろう。

◆米国では原油価格下落やドル高が企業部門の重石となっており、米国向け輸出の主力製品である資本財の不調が当面続く可能性には注意が必要だ。ただし家計部門を中心に底堅い景気拡大が続いており、基調として耐久財を中心に輸出の増勢回復が見込まれる。欧州については原油価格下落やECBによる量的緩和の効果などから持ち直しており、基調としての回復・拡大が継続するだろう。アジアに関しては、中国の預金準備率引き下げや利下げ、人民元買い介入の縮小などによる実体経済の底上げが確認され始めており、一段の需要減少は回避される公算が高い。

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