経済分析レポート
10月貿易統計

輸出数量に持ち直しの兆し、海外経済の減速には留意

2014年11月20日

  • エコノミック・インテリジェンス・チーム エコノミスト 長内 智

サマリー

◆2014年10月の貿易統計では、輸出金額は前年比+9.6%と市場コンセンサス(同+4.5%)を大きく上回り、2ヶ月連続の増加。これは、輸出数量が同+4.7%と2ヶ月連続で増加したことに加えて、円安が進んだことで輸出価格が同+4.6%と上昇幅を前月(同+4.0%)より拡大させたことによる。この結果、季節調整値で見た輸出金額も前月比+1.9%と5ヶ月連続のプラスとなり、増加基調を強めている。

◆輸出数量指数を季節調整値で見ると(季節調整は大和総研による)、前月比+2.3%と2ヶ月連続の上昇。輸出数量は、これまで横ばい圏での推移が続いていたが、海外経済の底堅さや、契約通貨ベースで見た輸出物価指数(いわゆる現地価格)が緩やかに低下していることもあって、持ち直しの兆しが見られる。

◆輸出数量の先行きに関しては、海外経済が回復するに従って、徐々に増加基調へ向かうと見ている。ただし、足下で海外経済の減速感が高まる中、輸出の回復時期が後ずれするリスクが高まっている点に留意したい。貿易収支の先行きについては、内需の拡大に合わせて輸入数量が持ち直し、輸入金額が高水準で推移するとみられることから、赤字での推移が続くと見込む。他方、中長期的には、海外経済の回復を背景とする輸出数量の持ち直しによって、貿易収支の赤字幅は徐々に縮小していくと見ている。

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