経済分析レポート
貿易収支赤字下で経常収支黒字は維持可能か

積極的な国際化で貿易外収支黒字幅の拡大を目指せ

サマリー

◆東日本大震災以降、海外経済の減速と資源高を受けて貿易収支の赤字基調が続いており、中長期的に経常収支の赤字化も懸念されている。しかし、日本の所得収支とサービス収支という貿易外収支の黒字幅は拡大の余地があり、貿易収支の赤字は必ずしも経常赤字にはつながらない。

◆ルクセンブルク、スイス、フランス等の事例を検証すれば、金融サービスや仲介貿易、海外投資などによって、貿易収支赤字下でも貿易外収支の黒字幅を拡大させることは可能である。また、イギリスの歴史を見ると、戦前には海外投資と海運収入、戦後には海外投資と金融サービスによって貿易外収支黒字を増加させ、貿易収支の赤字額を埋めてきたことがわかる。

◆経常収支の赤字化を憂う意見は、暗黙のうちに産業構造が不変であり、貿易外収支が変化しないことを仮定している。しかし、日本には貿易外収支を拡大する余地が残されている。諸外国の事例から学び、中長期的にサービス収支、所得収支から成る貿易外収支の黒字を増加させていくことが重要である。貿易外収支の黒字幅を拡大していくことで、貿易収支の赤字基調が継続した場合でも、経常収支の黒字を維持していくことが可能となるだろう。

レポートをダウンロードする

お気に入りへ登録

この記事を「お気に入りレポート」に登録しておくことができます。

このレポートのURLを転送する

  • @

おすすめ関連レポート

お問い合わせ

PDFファイルの閲覧にはAdobe® Reader®新しいウィンドウで開きますが必要となります。お持ちでない方は、アドビ システムズのウェブサイトから無償ダウンロードができます。
なお、Adobe® Reader®のインストール方法は、アドビ システムズ ウェブサイト新しいウィンドウで開きますをご覧ください。

Get Adobe® Reader®

リサーチ

リサーチメールマガジン

大和総研研究員によるレポートやコラム、書籍・刊行物などの最新情報を適宜お届けします。

ダイワインターネットTV

2016年11月29日
第191回日本経済予測 トランプ・ショックで日本経済に何が起きるのか?

書籍・刊行物

熊谷亮丸、大和総研
トランプ政権で日本経済はこうなる(日経プレミアシリーズ)

「波乱はなし」と思われた米大統領選で、まさかのトランプ勝利!今後の米国・日本経済では何が起きるのか?トランプ勝利で不透明感の強まる米国の通商政策や金融規制、環境政策、日本経済の先行きについて、大和総研のエコノミストたちがやさしく、わかりやすく解説しています。2017年の経済情勢を見通すうえで必読の一冊です。

熊谷 亮丸 監修、大和総研 編著
この1冊でわかる 世界経済の新常識2017

「米国大統領選挙」「Brexit」「中国『バブル』崩壊」「FinTech」・・・私たちの日常生活には、「世界経済」に関するニュースがあふれています。本書では、トランプ大統領誕生による米国経済への影響をはじめ、世界経済はどんな仕組みで動いているのか、なぜ世界経済の動きが日本経済に影響を及ぼすのかなどについて、わかりやすく解説しています。