経済・社会構造分析レポート
「人材力」を活かした生産性向上を目指せ

高度人材の育成、雇用流動化、地域人口の集約化による成長戦略

2015年8月21日

サマリー

◆労働力人口が減少する超少子高齢社会では、元気な高齢者や女性の就労支援、出生率の向上だけでなく、生産性を高める経済・社会環境の整備が重要になる。特に、無形資産が経済成長へ貢献する程度が高まるにつれて、それを生み出す人的資本の果たす役割が一層高まることになるだろう。

◆一般的に生産性を向上させるには、「イノベーション(新技術等の創出)」「技術等の普及」そして「効率的な資源配分の実現」の3つが必要である。それらがうまく行われるにはどのような人的資本政策が適切なのかをこれからは考えるべきだ。

◆今後の産業構造の高度化を見据えると、イノベーションを生み出す高度人材の育成と活躍の場を提供すべきであり、教育面では高等教育と就学前教育の充実、雇用面では人材の多様性と流動性の確保が必要である。さらに、そうした人材をうまく活用するには、地域の人口を集約化して近接性を高めるのも効果的だ。イノベーションが生まれやすくなるだけでなく、地域でサービス産業の雇用が創出され、家計の負担も軽減される可能性がある。

◆今回の成長戦略では地域の生産性向上が大きなテーマの一つとなっているが、以上の点を踏まえると、従来型の地域への誘導策を止めて、都市空間の利便性を素直に認める方向へ転換するという方法もあるのではないか。例えば、利便性の高い都市部では固定資産税額を引き上げて、貴重な都市空間から生産性の低い民間事業者の退出を促すのも一案だ。さらに地域の雇用促進と生産性の上昇には、企業規模による差を設けずに生産性の高い民間事業者が活躍できるように競争条件を揃えていくことも不可欠である。

レポートをダウンロードする

お気に入りへ登録

この記事を「お気に入りレポート」に登録しておくことができます。

このレポートのURLを転送する

  • @

おすすめ関連レポート

お問い合わせ

PDFファイルの閲覧にはAdobe® Reader®新しいウィンドウで開きますが必要となります。お持ちでない方は、アドビ システムズのウェブサイトから無償ダウンロードができます。
なお、Adobe® Reader®のインストール方法は、アドビ システムズ ウェブサイト新しいウィンドウで開きますをご覧ください。

Get Adobe® Reader®

リサーチ

リサーチメールマガジン

大和総研研究員によるレポートやコラム、書籍・刊行物などの最新情報を適宜お届けします。



ダイワインターネットTV

2016年9月14日
労働市場から消えた25~44歳男性

2016年9月2日
なぜ地方は東京に追いつけないのか?

2016年8月25日
~第190回 日本経済予測~

2016年7月20日
女性の雇用環境と女性活躍推進法

書籍・刊行物

熊谷亮丸監修、大和総研編著
『リーダーになったら知っておきたい経済の読み方』

本書では、大和総研エコノミック・インテリジェンス・チームの選りすぐりのエコノミストが、経済指標の見方をはじめ、日本や世界経済の現状及び見通し等について、初心者の方でも理解しやすい平易な文章で、ポイントの押さえ方を解説しています。経済についてもっと詳しくなりたい方から、経済を一から学び直してみたい方まで、どんな方でも気軽に読める、面白くてためになる本を目指して執筆しました。是非ご一読ください。

鈴木 準(調査提言企画室長)著
『社会保障と税の一体改革をよむ』

「社会保障と税の一体改革」による改正事項の網羅的な解説と考察を行っています。この分野に関心をお持ちの多くの方々にお読みいただけるよう、分かりやすく記述しています。基本的な改正内容だけでなく背景にある考え方と問題点について、幅広く議論しています。

熊谷 亮丸 著
『消費税が日本を救う』

消費税率引き上げによって、財政危機・年金不安を解消し、日本経済再生への足がかりとする。 現在、最大の関心事となりつつある「消費税」について多面的に考察、日本復活への処方箋をご紹介します。