経済・社会構造分析レポート
内閣府の中長期試算から財政再建を考える

厳しい歳出抑制と経済再生ケースの実現が必要

2015年8月17日

  • パブリック・ポリシー・チーム エコノミスト 神田 慶司

サマリー

◆2015年7月22日に改訂された内閣府「中長期の経済財政に関する試算」(中長期試算)を前回2月の中長期試算と比較すると、税収見通しはGDP比で上昇しているが、長期的な税収弾性値には変更がなく1.0程度と見込まれている。

◆経済・財政再生計画を実現するためには、中長期試算が描く以上に歳出を抑制する必要がある。経済再生ケースの場合、国の一般会計の一般歳出が2015年度から2018年度にかけて5兆円の増加となっているが、これを2兆円近く抑制して3兆円強程度にとどめることが目安だろう。中長期試算の歳出の想定はかなり厳しいものだが、財政健全化目標の達成にはさらに厳しい歳出抑制が不可欠である。

◆前回の中長期試算と比べて基礎的財政収支は上方修正されたが、依然として経済再生ケースにおいても2020年度までの黒字化は実現できない見通し。ただ、経済再生ケースでは2023年度に基礎的財政収支が均衡にかなり近づいている。経済・財政再生計画を進めていくことができれば、2020年度の財政健全化目標の達成も視野に入る。

◆ただし、言うまでもなく、それには経済再生ケースが描く経済環境を実現する必要がある。経済再生ケースを実現するためのポイントとして、①潜在成長率の引上げ、②息の長い景気拡大の実現、③賃金・物価上昇とそれによる行き過ぎた円高の発生やそのリスクの回避、の3つを指摘できる。

レポートをダウンロードする

お気に入りへ登録

この記事を「お気に入りレポート」に登録しておくことができます。

このレポートのURLを転送する

  • @

おすすめ関連レポート

お問い合わせ

PDFファイルの閲覧にはAdobe® Reader®新しいウィンドウで開きますが必要となります。お持ちでない方は、アドビ システムズのウェブサイトから無償ダウンロードができます。
なお、Adobe® Reader®のインストール方法は、アドビ システムズ ウェブサイト新しいウィンドウで開きますをご覧ください。

Get Adobe® Reader®

リサーチ

リサーチメールマガジン

大和総研研究員によるレポートやコラム、書籍・刊行物などの最新情報を適宜お届けします。

ダイワインターネットTV

2017年7月19日
「こども保険」をどのように考えるか

2017年7月11日
日本の住宅市場が抱える問題~貸家バブルを考える~

書籍・刊行物

熊谷亮丸、大和総研
トランプ政権で日本経済はこうなる(日経プレミアシリーズ)

「波乱はなし」と思われた米大統領選で、まさかのトランプ勝利!今後の米国・日本経済では何が起きるのか?トランプ勝利で不透明感の強まる米国の通商政策や金融規制、環境政策、日本経済の先行きについて、大和総研のエコノミストたちがやさしく、わかりやすく解説しています。2017年の経済情勢を見通すうえで必読の一冊です。

熊谷 亮丸 監修、大和総研 編著
この1冊でわかる 世界経済の新常識2017

「米国大統領選挙」「Brexit」「中国『バブル』崩壊」「FinTech」・・・私たちの日常生活には、「世界経済」に関するニュースがあふれています。本書では、トランプ大統領誕生による米国経済への影響をはじめ、世界経済はどんな仕組みで動いているのか、なぜ世界経済の動きが日本経済に影響を及ぼすのかなどについて、わかりやすく解説しています。