経済・社会構造分析レポート
エネルギー政策と成長戦略

生産性を高める環境整備でエネルギー利用の効率化と多様化を

2013年2月6日

  • 経済調査部 経済社会研究班 主任研究員 溝端 幹雄

サマリー

◆エネルギーは企業活動や人々の暮らしを支えるための基盤である。エネルギー価格の上昇は日本の経済成長にとって大きな足枷となりかねない。

◆一方で、省エネ技術や代替エネルギーの開発・促進といったイノベーションがエネルギー価格の上昇を吸収できれば、必ずしも経済成長の制約となるものではない。

◆エネルギーを安定的かつ経済的に利用(エネルギー安全保障を確保)するためには、エネルギーの種類や発電方法、そして化石燃料の調達先を多様化していくことに加えて、イノベーションを加速させる経済環境が十分に整備される必要がある。

◆イノベーションが期待される分野には、例えば、価格メカニズムやICT(情報通信技術)による電力需給の調整や送電網の地域連携の強化、節電機能を向上させた電化製品の普及、高効率火力発電の利用拡大、そして再生可能エネルギーによる発電の拡大などの分野がある。こうしたエネルギー利用の「効率化」と「多様化」を進めることで、エネルギー安全保障だけでなく低炭素化にも結びつく。

◆経済成長を高めるには、生産性を高めるイノベーションと資源配分の最適化が必要であり、それには市場がうまく機能するような経済環境(規制緩和を含む)を政府が整備することが必要である。企業努力を引き出すことで、エネルギー利用の効率化と多様化という課題を経済成長に繋げていくことができるものと考える。

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