保護林

2013年10月7日

解説

保護林は、生物多様性の核となる森林生態系を厳正に保全・管理するために、国が国有林において区域を定めて禁伐等の管理経営を行うことによって保護が図られている森林をいう。

保護林は、林野庁独自の保護林制度で運用されているもので法的根拠はないが、同制度が発足した1915年以来、「自然公園法」による自然公園や「文化財保護法」による天然保護地域等とともに、国内の自然環境保護に活用されてきた。1989年には保護林の区分体系が一新され、森林生態系保護地域が新設されるなど制度の再編・拡充が図られた。保護林は5年毎に森林や動物等の状況変化がモニタリング調査され、地域の状況等を踏まえて区域の見直し等が行われる。2011年度は、11か所の保護林の設定・変更が行われた。例えば、長野県松本市で「上高地ケショウヤナギ等植物群落保護林」(面積42.47 ha )が新たに設定されたり、沖縄県八重山郡竹富町で「西表島森林生態系保護地域」が11,600 haから20,470 haに拡充されたりした。2012年4月1日現在、843か所、91万5 千ha(国有林野全体の面積の約12%)におよぶ(図表)。

上記の保護林事業に加えて、2000年からは野生動植物の生息・生育地の拡大と相互交流を促すため、保護林同士を連結する「緑の回廊」事業が林野庁によって行われている(※1)。保護林間の国有林を緑の回廊として設定し、裸地化の抑制を図ったり、樹種構成や林齢等の多様化を図るための森林施業が実施されている。設定箇所数は24か所、設定面積は59万2 千haにおよび、国有林野全体の面積の約8%を占めている(2012年4月1日現在)。緑の回廊が国有林だけでは不十分な場合は、周辺の民有林の所有者である地方自治体等と連携しながら各種取組みが進められている。

図表 保護林の種類、目的、箇所数、面積

(※1)林野庁ウェブサイト「緑の回廊

(2013年10月7日掲載)

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