WEEE指令

2013年8月9日

解説

WEEE指令(欧州議会・理事会指令2002/96/EC)(※1)とは、EU(欧州連合)における電気電子機器廃棄物の回収とリサイクルに関する指令で、“Waste Electrical and Electronic Equipment”(電気電子機器廃棄物)の頭文字からWEEE指令と呼ばれている。電気電子機器廃棄物の発生の抑制を目的として、廃棄物の再利用やリサイクルなどの具体的な目標が定められており、2003年2月にEU官報に告示された。同時期に告示された電気電子機器への特定有害物質の使用制限に関する指令であるRoHS指令と密接に関係している。また、2012年7月に改正WEEE指令(欧州議会・理事会指令2012/19/EU)(※2)が告示された。

改正WEEE指令により、EU各国は2016年からの3年間は市場に流通する電気電子機器の少なくとも45%を回収することが目標とされている。さらに、2019年以降は電気電子機器の少なくとも65%または、電気電子機器廃棄物の少なくとも85%が回収目標となっている(※3)。対象となる電気電子機器は、下記の10のカテゴリーで示されている。

[対象となる電気電子機器]

  1. 大型家庭用電気製品(冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど)
  2. 小型家庭用電気製品(電気掃除機、時計、シェーバーなど)
  3. IT・電気通信機器(パソコン、プリンター、携帯電話など)
  4. 民生用機器及び太陽電池パネル(ビデオカメラ、テレビ、楽器など)
  5. 照明装置(ランプ類、照明制御装置などで、フィラメント電球は除く)
  6. 電気・電子工具(電気ドリル、ミシンなど)
  7. 玩具、レジャー及びスポーツ機器(ビデオゲーム機など)
  8. 医療用機器(移植されたもの、感染した製品は除く)
  9. 監視及び制御機器
  10. 自動販売機類(飲用販売機、現金引出機など)

電気電子機器の回収目標を達成するために、上記の電気電子機器にはカテゴリーごとに2012年8月13日から2015年8月14日までと、2015年8月15日から2018年8月14日までの2つの期間における再生率やリサイクル率等の達成義務が定められている。また、2018年8月15日以降については、対象となる電気電子機器のカテゴリーが次の6つに変更され、それぞれのカテゴリーごとに再生率やリサイクル率等の達成義務が定められている。

[2018年8月15日以降の新カテゴリー]

  1. 温度交換装置(冷蔵庫、エアコンなど)
  2. スクリーン、モニターおよび表面積が100㎠以上のスクリーンのある装置
  3. 照明器具
  4. カテゴリー1から3以外の大型機器(外寸50cm超)
  5. カテゴリー1から3と6以外の小型機器(外寸50cm以下)
  6. 小型情報・通信機器

対象となる製品の製造者には、製品の再利用やリサイクルを容易にする設計や生産、リサイクル処理システムの構築、製品カテゴリーごとの再生率やリサイクル率等の達成などが求められる。また、製造者の定義には自社のブランドで電気電子機器を製造・販売する者だけでなく、他の生産者によって製造された製品を自社のブランドで販売するもの、EUに商業ベースで輸入・輸出する者も含まれている。

[参考資料]
European Commission“Recast of the WEEE Directive
日本貿易振興機構(ジェトロ)「WEEE(電気電子廃棄物)指令の概要:EU


(※1)“DIRECTIVE 2002/96/EC OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 27 January 2003 on waste electrical and electronic equipment (WEEE)” Official Journal of the European Union(13.2.2003)
(※2)“DIRECTIVE 2012/19/EU OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 4 July 2012 on waste electrical and electronic equipment (WEEE) (recast)” Official Journal of the European Union(24.7.2012)
(※3)ブルガリア、チェコ、ラトビア等の10カ国については、廃棄物回収のインフラ整備が十分ではないことや電気電子機器の消費水準が低いことから、回収率の目標は40%とされている。

(2013年8月9日掲載)

お問い合わせ

PDFファイルの閲覧にはAdobe® Reader®新しいウィンドウで開きますが必要となります。お持ちでない方は、アドビ システムズのウェブサイトから無償ダウンロードができます。
なお、Adobe® Reader®のインストール方法は、アドビ システムズ ウェブサイト新しいウィンドウで開きますをご覧ください。

Get Adobe® Reader®

リサーチ

リサーチメールマガジン

大和総研研究員によるレポートやコラム、書籍・刊行物などの最新情報を適宜お届けします。

ダイワインターネットTV

2016年8月15日
“女性の活躍”に関する情報開示と投資家動向

書籍

ソーシャルファイナンスの教科書―「社会」のために「あなたのお金」が働くということ

金融は本来自分のためと社会のために自分のお金に働いてもらうこと、という考え方を出発点として、地球環境問題や、所得格差などの社会課題解決のために、個人としてできることから、世界の運用業界で注目されているサステナブル投資の潮流などを含め、新たな金融―ソーシャルファイナンス―の在り方について考察していきます。