グリーン・コンシューマリズム(緑の消費者運動)

2013年4月5日

解説

消費者が環境物品(環境負荷の低減に資する物品・サービス)を積極的に購入したり、そうでない物品を忌避したりするなどの消費行動を通して、供給サイドを環境経営に誘導し、持続可能な社会の構築を目指すことをグリーン・コンシューマリズム(緑の消費者運動)という。このような行動をとる消費者をグリーン・コンシューマー(緑の消費者)と呼ぶ。グリーン・コンシューマリズムに取り組む関係NPOが“買い物10原則”をまとめている。

  1. 1.    必要なものを必要なだけ買う
  2. 2.    使い捨て商品ではなく、長く使えるものを選ぶ
  3. 3.    容器や包装はないものを優先し、次に最小限のもの、容器は再使用できるものを選ぶ
  4. 4.    作るとき、買うとき、捨てるときに、資源とエネルギー消費の少ないものを選ぶ
  5. 5.    化学物質による環境汚染と健康への影響の少ないものを選ぶ
  6. 6.    自然と生物多様性をそこなわないものを選ぶ
  7. 7.    近くで生産・製造されたものを選ぶ
  8. 8.    作る人に公正な分配が保証されるものを選ぶ
  9. 9.    リサイクルされたもの、リサイクルシステムのあるものを選ぶ
  10. 10.    環境問題に熱心に取り組み、環境情報を公開しているメーカーや店を選ぶ

(出所)特定非営利活動法人 環境市民のウェブサイトから引用

グリーン・コンシューマリズムは、1990年前後に環境物品を取り扱う小売店や商品を個人消費者に紹介する本の出版から始まった(※1)。1992年には地球サミット(※2)(「環境と開発に関する国際連合会議」)の“アジェンダ21”でグリーン・コンシューマリズムに通底する消費行動の変革が規定されたことで(※3)、行動主体が購買規模のより大きな法人へと展開されることになった。

わが国では、滋賀県が1994年に「滋賀県環境にやさしい物品の購入基本指針」を策定し「環境対応製品推奨リスト」を作成してグリーン購入に乗り出した(※4)。この動きはグリーン・コンシューマリズムを標榜する法人が集まる任意団体「グリーン購入ネットワーク(GPN)」の設立(1996年)につながった。GPNの加入団体は2,491(企業2,046、行政203、民間団体242)を数える(2013年3月21日時点)(※5)

さらに、2000年には「循環型社会形成推進基本法」(※6)の個別法のひとつとして「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン調達法)」が制定された(※7)。2012年度における中央政府(国等の機関)によるグリーン購入調達実績及び環境負荷低減効果は、公共工事分野の品目を除く190品目中186品目(97.9%)において判断の基準を満たす物品等が95%以上の高い割合で調達され、CO2排出削減量は約12万4千トン(家庭からのCO2年間排出量の約6万1千人分に相当)に達したことが報告された(※8)。中央政府が率先してグリーン・コンシューマリズムを実行することは、市場における初期需要の創出に有効と考えられている。今後は、より支出規模の大きな地方政府などでグリーン・コンシューマリズムが取り入れられていくことが期待される(※9)


(※1)John Elkington and Julia Hailes,“The Green Consumer Guide”, A Gollancz paperback, London, (1988)、ごみ問題市民会議、「かいものガイドこの店が環境にいい」(1991年)、グリーンコンシューマー・ネットワーク「地球にやさしい買い物ガイド」、講談社(1994)など。
(※2)平成5年版環境白書(環境庁)
(※3)“アジェンダ21”は、持続可能な開発を実現するために各国が実行すべき21世紀における行動計画のこと。国連開発計画ウェブサイト
(※4)滋賀県ウェブサイト
(※5)グリーン購入ネットワーク(GPN)ウェブサイト
(※6)環境省ウェブサイト
(※7)環境省ウェブサイト
(※8)環境省ウェブサイト
(※9)名目国内総生産(支出側、2010年度)に占める割合は、中央政府3.1%、地方政府8.8%、社会保障基金8.1%、公的総資本形成4.5%。これらを合わせた政府支出は24.4%に及ぶ(平成22年度国民経済計算)。

 

(2013年4月5日掲載)

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