統合報告

2013年3月29日

解説

統合報告とは、財務情報と非財務情報を統合した企業情報の報告形態である。財務情報は、有価証券報告書など法的に作成・開示が決められているものが多く、様式や開示方法がルール化されているものが多い。一方、非財務情報は、いわゆるESG(環境・社会・コーポレートガバナンス)情報のことだが、知的財産に関する情報などを含むこともあり、財務情報以外を指すと考えていいだろう。非財務情報の代表的な形態はCSR報告書であるが、これには決まった様式がない。また、CSR報告書は企業が自主的に開示しているにすぎず、作成・開示していない企業も少なくない。

従来、企業の価値を評価するために財務情報が使われてきたが、短期的な評価に偏りがちであり、経済のグローバル化に伴う環境や社会問題など、財務情報だけでは見えないリスクもある、という認識が欧米で広まった(図表)。また、将来のリスクや機会を評価するには、過去情報である財務情報だけでは不十分であるという課題も出てきた。しかし、現状のCSR報告書では、ESG関連の情報が記載されていても、経営との関連性が不明確という課題がある。こうしたことの対策として、「統合報告」という考え方が出てきたのである。

現時点で、「統合報告」に関する確立された定義はないが、財務報告とCSR報告を合冊しただけのものは統合報告ではないという認識は共通している。IIRC(国際統合報告委員会)という団体は、統合報告のフレームワークを開発しており、2013年末に第1版を公開する予定である。また、先進的な企業の中には統合報告の開示を始めたところもある。こうした企業の統合報告は各企業のウェブサイトの他、国際的なCSR報告書のガイドラインを開発しているGRIのウェブサイトで閲覧できるものもある(※1)

図表 企業を取り巻くステークホルダーと課題
図表 企業を取り巻くステークホルダーと課題 新しいウィンドウで開きます
(出所)大和総研作成

(※1)GRI “Sustainability Disclosure Database

(2013年3月29日掲載)

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