環境マネジメントシステム(EMS)

2009年12月28日

解説

環境マネジメントシステム(EMS:Environment Management System)とは、事業者・自治体・学校などの組織が、組織全体で継続的に省エネルギー・省資源・廃棄物削減といった環境に配慮した事業活動を行うための仕組みのことである。EMSを効果的・効率的に進め、取り組み状況を外部からも見えるようにする方法として、複数の規格が公開されている。国際標準化機構(ISO)が定めた「ISO 14001」の他に、EUの“EMAS(Eco-Management and Audit Scheme)”、日本の「エコアクション21」「KES・環境マネジメントシステム・スタンダード」などである(図表1)。規格で求めているのは「トップのコミットメント」「方針と計画」「記録」「評価」「見直し」などであり、組織全体でマネジメントしていく上で必要なポイントは共通である。

図表1 EMS比較
(注1)公益財団法人 日本適合性認定協会 「調査報告書 ISO 14001 に対する適合組織の運用状況」
(注2)一般財団法人 持続性推進機構(IPSuS) 「認証・登録の状況」
(注3)特定非営利活動法人・KES環境機構 「登録事業者を探す」を基に、学校版の登録数を除いて大和総研計算(2013年7月17日実施)
(出所)以下の資料、および各種公開資料を基に大和総研作成
公益財団法人 日本適合性認定協会、一般財団法人 持続性推進機構(IPSuS) エコアクション21 中央事務局、特定非営利活動法人 KES環境機構

ISO 14001登録数は長らく日本が世界一であったが、近年、登録数の伸びが鈍化し、登録数を急伸させている中国に2007年からはその座を譲っている(図表2)。日本の伸びが鈍化したのは、事業所別の登録から事業者としての登録への変更、景気後退による登録返上や他のEMSへの乗り換えが背景にあると言われている。一方、取引先選定ポイントの一つとして何らかのEMSの登録やEMSに準拠した体制の構築を挙げている企業・自治体も出てきている(※1)。EMS導入により、環境負荷軽減や光熱費などのコスト削減のみならず、「業務の仕組みが明確になり目的達成のための業務改善が進む」や「優れた組織として社会の評価を得る」といった組織内部に対する効果が得られたとする組織も少なくない(※2)。事業者には、EMSをコストではなく投資と捉えて活用することが望まれる。

図表2 ISO 14001 登録状況
図表2 ISO 14001 登録状況
(出所)ISO “ISO Survey 2011”を基に大和総研作成

(※1)環境省の「グリーン購入取り組み事例データベース」に、各自治体のグリーン購入調達方針や実施状況が紹介されている
(※2)公益財団法人 日本適合性認定協会 「調査報告書 ISO 9001・ISO 14001 に対する適合組織の取組み状況」(2010年2月)の中から、「ISO 9001・ISO 14001 運用状況について」の設問に対する回答

(2009年12月28日掲載)
(2013年7月19日更新)

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