CCS(二酸化炭素回収貯留技術)

2012年10月1日

解説

CCS(Carbon Dioxide Capture and Storage)とは、 ガス田や炭鉱、発電所や製鉄所などから排出される二酸化炭素(CO2)を回収して、地中などに貯留すること、あるいはその技術をいう。CO2の濃度増加による気候変動は温室効果ガス全体の約64%を占めるため(※1)、大気と隔離することは地球温暖化の防止に大いに役立つとされる。国際エネルギー機関(IEA)の「エネルギー技術展望2012」においても、CCSは今後10年間に大規模化すべき極めて重要な技術であると位置づけられている(※2)

CCSは、主に以下の工程からなる(図表1)。
1)分離・回収: CO2を吸収剤や分離膜で分離・回収
2)輸送: 液化してからパイプラインや車両で圧入場所に輸送
3)貯留: 圧入機で井戸を通して地中に貯留
4)監視: 漏出などの貯留状態を監視

貯留は超臨界(気体と液体の中間的な性質を持つ)状態のCO2が砂岩等の空隙を持った貯留層に浸透することで捕えられる。漏出しないためには貯留層の上に泥岩などの緻密な遮蔽層が存在する必要がある。地層の深さは1,000m以上になることもあるが、世界全体で少なくとも約2兆トンの貯留が可能と試算されている(※3)。2009年に化石燃料を燃焼して排出されたCO2が約290億トン(2009年)(※4) なので、約70年分という膨大な量を大気から隔離できる計算になる。

CCSには新たな設備投資が必要となるが、排出源や回収技術、貯留場所などを適切に選択すれば商業利用が可能とされている。現在欧米を中心に8か所で大規模プロジェクトが稼働しており、7か所でプラントを建設中である(※5)。一方、国内では2020年の実用化に向け、2012年度から経済産業省が北海道苫小牧沖で全行程の実証実験を始めることになった(※6)

図表1 CCSの概念図

図表1 CCSの概念図

(出所)大和総研作成
 

(※1)“The NOAA Annual Greenhouse Gas Index (AGGI)” NOAA Earth System Research Laboratory, Updated summer 2012.
(※2)“Energy Technology Perspectives 2012” IEA, June 2012.
(※3)“Carbon Dioxide Capture and Storage, Summary for Policymakers”, IPCC Special Report
(※4)“CO2 Emissions from Fuel Combustion - Highlights 2011 Edition”, IEA
(※5)“GLOBAL STATUS OF LARGE-SCALE INTEGRATED CCS PROJECTS JUNE 2012 UPDATE” Global CCS Institute, 29 June 2012.
(※6)経済産業省ウェブサイト

(2012年10月1日掲載)

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