株主総会集中日

2012年7月31日

解説

3月決算会社の定時株主総会が6月下旬のある一日に集中することは、良く知られている。これを株主総会集中日というが、それがどのように決まるのかは、あまり良く理解されていない。大まかに下旬の金曜日か木曜日と思われているのだが、実は一定の明確な実務慣行によって決まっているのであり、カレンダーさえあれば、ある年の株主総会集中日が何日であるかは、簡単にわかる。

この慣行は、3月決算会社の場合であれば、
(1)6月最終営業日の前営業日
(2)当該日が月曜日である場合には、その前週の金曜日
というものである。

3月決算会社が6月中に定時株主総会を開催しなければならないというわけではないが、通常は定款で「第○条 当会社の定時株主総会は、毎年6月に開催する」として開催をあらかじめ決めている場合が多い。また「第×条 当会社の定時株主総会の議決権の基準日は毎年3 月31 日とする」というように、株主総会の権利行使基準日を事業年度末日、つまり決算日と同一日に定める例も多い。この基準日の有効期限が3ヶ月以内とされているため、3月末日決算であれば6月中の総会開催が必須となる。定時株主総会の開催日を6月以外に定めたり、権利の基準日を決算日以外に定めたりすることも可能ではあろうが、実務では採用されておらず、6月下旬に集中的に開催される状況は、変わっていない。

6月中の開催に合わせ決算や議案確定といった多くの作業があるため、6月終盤に開催日が集中することとなる。その中で、前記(1)に記した最終の営業日の前営業日というのは、総会が紛糾し翌日に繰り越した場合に、3ヶ月以内に終了できなくなると考えられるからだ。翌日に繰り越したとしても6月中に終えるために一日の余裕を置いておくわけだ。また、(2)の月曜日を避けるというのは、郵便で送られてくる議決権行使書面の集計が開会に間に合わなくなる可能性があるからだ。休日にたまった分を処理するのに、時間を要する恐れがある。ただ、いずれも法律上の要請ではないので、稀にではあるが末日に開催する事例もあるし、月曜日に開催することも時折見られる。

株主総会の集中開催は、株主の出席を著しく困難にすることもあって、1990年の終盤からこれを見直す動きがある。グラフに示したようにかつては、9割以上の会社が同一日に開催していたことを思えば、株主総会開催日の分散化は大幅に進んでいるといえるだろう。

3月決算会社の定時株主総会集中率

※ESGニュース2012年5月18日「株主総会集中日の決まり方」参照

(2012年7月31日掲載)

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