RPS(Renewable Portfolio Standard)制度

2012年7月31日

  • 真鍋 裕子

解説

再生可能エネルギーの導入を促進するための政策。電気事業者に一定量以上の再生可能エネルギーの利用を義務付ける制度である。同様に再生可能エネルギーの導入促進政策である「固定価格買取制度(FIT)」と比較されることが多い。義務付けにより導入量を確保できること、コスト競争力のある再生可能エネルギーから導入が進むことなどが特徴である。

日本では、2003年「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(以下、RPS法)として導入された。RPS法では、再生可能エネルギーのうち、太陽光、風力、地熱、小水力(1MW以下)、バイオマスを「新エネルギー等」と定義づけ、電気事業者に毎年一定割合以上の「新エネルギー等」利用を義務付けた。電気事業者は、自ら新エネルギー発電所を新設するか、新エネルギー発電事業者から電力を購入し、義務履行しなくてはならないこととなった。

制度導入後6年間(2003年から2008年)は、実績導入量が義務量を大きく上回る結果となった(図表1)。超過分は次年度以降にバンキング(繰り越し)することができることから、2009年以降も義務量を達成している。義務量は、電力総供給量の1%程度にすぎず決して厳しくなかった。その証拠に、RPS法下における新エネルギーによる発電電力の取引価格は7円~11円/kWhと低価格で推移しており、買手市場であったことがわかる(図表2)。

RPS制度を導入している国は、イギリス、オーストラリア、韓国など。イギリスでは、小規模発電設備を対象に固定価格買取制度を導入しており、制度を併用している国もある。日本政府は、2012年7月より同法を廃止し、再生可能エネルギー特別措置法のもと固定価格買取制度(FIT)を導入すること決定した。

図表1 RPS法に基づく義務履行状況
RPS法に基づく義務履行状況
(出所)資源エネルギー庁「RPS法施行状況」(各年)より大和総研作成

図表2 RPS法下における新エネルギー等取引価格
RPS法下における新エネルギー等取引価格
(出所)資源エネルギー庁「RPS法下における新エネルギー等電気等に係る取引価格の調査結果について」(各年)より大和総研作成

(2012年7月31日掲載)

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