株主判明調査

2011年7月8日

解説

株式会社では、株主総会を通じて役員人事や組織再編などの重要事項が決定される。そのため、株主の理解を得るための前提として、株主が誰であるかは経営の将来を決定付ける重要な情報である。また、ある株主が敵対的買収を行う可能性があるか、早期に対策を立てるためにも、どのような行動を取る株主かその情報が必要となる。

株主名は、株主名簿に記載されるが、これが実態と乖離している場合が少なくない。信託財産などは、株主名簿上、信託(カストディアン)名義で記載されている。会社側は、株主名簿だけでは実質的な株主を確認できない。信託名義の背後にある実質株主の判明調査を実施することによって初めて、株主の全体像を把握することが可能になる。とはいえ、判明調査によって全ての実質株主を明らかにできるわけではなく、不明な名義が残されることもあるという。

株主判明調査では、投資信託の運用報告書や大量保有報告書、米国のSECに提出されるN-Qや13Fの公表データを基礎に、信託名義の分析、機関投資家へのヒアリングが活用される。こうした作業はデータの蓄積と経験が重要であり、欧米には判明調査を主なビジネスとするIR会社もある。日本企業の株式保有構造を見ると、外国人持ち株比率が高まっており米国など外国人株主を把握するため、判明調査を実施する企業が多くなっている。

(2011年7月8日掲載)

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