【経営企画部 業務必携】コーポレートガバナンス・コード時代の企業価値創造プロセス(9)

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  • マネジメントコンサルティング部 主席コンサルタント 林 正浩

サマリー

◆コーポレートガバナンス・コードの文脈において、財務経理部門は取締役会と並んで「事業収益力を高めるプラットフォーム」といえる。そして、その統括を担う最高財務責任者(CFO:Chief Financial Officer)は企業価値創造の要である。


◆一方、わが国のCFOは「スーパー経理部長」であるケースが多い。ビジネスシーンにおいても、従前の財務経理部長の役割・責任と最高財務責任者(CFO)の役割・責任が明確に線引きされているとは言い難いのが現状だ。


◆CFOのキャリアにその要因を見出すことができる。わが国のCFOはいわゆる「財務経理一筋」の人材が多く、欧米のように事業部門の財務責任者や関連会社の経営責任者の経験を有するケースは多くない。このことが「にわかCFO」輩出につながっていると思われる。


◆高度経済成長期に会計基準の骨格が整備されたわが国においては、依然としてパフォーマンス・チェックの対象がPLであるケースが少なくない。BS起点の企業価値創造やリスクマネジメントをミッションとするCFOが我が国において今一つ理解されない遠因は、このPL偏重にあるのではないだろうか。

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