100年企業を経営する

長寿企業のエッセンスを歴史的に振り返り健康経営との類似点を整理する

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  • 佐井 吾光

サマリー

◆そもそもサステナブル経営とは「短期的な利益だけを追求する経営」ではなく、「中長期的な企業価値向上を目指す経営」と言い換えることができる。


◆サステナブル経営を指向する代表的な企業モデルを歴史的に振り返ると、80年代はエクセレント・カンパニー、90年代はビジョナリー・カンパニー、そして2000年代はレジリエント・カンパニーと変遷してきたが、その本質は共通している点も多い。


◆各時代の企業モデルは、その時代の社会的背景により、少しずつその特性は異なるが、「人を大事にすること」がその根底にある点は共通している。


◆いまの時代、「人を大事にする経営」として健康経営がある。健康経営とは従業員の健康保持・増進の取り組みが、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、従業員の健康管理を経営的な視点から考え、戦略的に取り組むことである。経団連の昨年のアンケート結果によると、各企業が健康経営に取り組む一番の目的が「業務効率化・労働生産性の向上」であった。


◆時代を超えて持続的に成長できるサステナブル経営を実践する企業に必要なもの、それは、時代の要請とともに常に変化する部分(企業の上部構造)と、時代とともに変化しない部分(企業の下部構造=哲学)を併せ持つことであり、その哲学こそ「人を大事にすること」なのである。

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