いつか見た景色、その後は?

2016年1月18日

  • コンサルティング・ソリューション第二部 主任コンサルタント 小杉 真

2015年は、「爆買い」がしばしば巷の話題にのぼった。官民一体となったビジット・ジャパン・キャンペーンが展開されている中、訪日外国人観光客数は2014年に暦年で1000万人を超え(出典:日本政府観光局(JNTO))、2015年も訪日外客数は大幅に前年を上回り過去最高を更新している。訪日外国人旅行者向け消費税免税制度改正などの効果もあり、家電量販店、ドラッグストアなどを中心に、中国などアジアからの旅行客による大量の買い物が目立ち、百貨店や商業施設、ホテル、レストランでのインバウンド需要は、日本の景気に大きな影響を与えるものとなった。今や、各社各店が競ってインバウンド需要の取り込みに策を練っている。日本の商品・サービスの品質水準の高さが、所得水準があがり、海外渡航がしやすくなって、日本を訪れる人たちの財布のひもを緩めているのであろう。

振り返ると、1980年代後半から90年代にかけて、日本人が欧米諸国に旅行に出かけると、その多くが洋酒、外国産タバコ、ブランドバッグ・ネクタイ、スカーフなどを買って帰ってきていた。ブランド物に対する信頼、イメージの良さ、入手のしにくさなど、必然的な理由があった。免税品店や街中の土産物店では、日本語を話す現地の店員を相手に、日本人団体ツアー客が土産物を両手に抱えきれないほど買っていた姿が思い出される。たかだか20~30年前のことである。その後、内外価格差がほぼなくなったこと、日本からの海外旅行がより手軽になったことなどに伴い、こうした買い物を主目的とした日本人の海外旅行はめっきり減ったように思われる。同時に、日本国内で輸入雑貨、輸入食料品を取り扱う店が増えるなど、消費の選択肢は広がった。

さて、これから20年後、今、日本にやってきて消費を楽しんでいる中国などアジア各国の人たちが住む街の風景はどうなっているだろう。成長著しい国の人たちが観光とともに買い物にやってくる街になっているだろうか。先進国の人たちが一緒に学び、働き、生活している空間ができているだろうか。世界各国の品が街中に見られるようになっているだろうか。そうした中で、日本の製品・商品が受け入れられ、店中にところ狭しと並んでいる様子を眺めてみたい。

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