環境中に排出された化学物質は、年間40.1万トン

2015年5月28日

平成27年3月に公表された経済産業省、環境省「平成25年度PRTRデータの概要」によると、平成25年度の1年間に環境中に排出された化学物質は、40.1万トンであった。PRTR(Pollutant Release and Transfer Register)制度は、化学物質排出把握管理促進法(化管法)に基づいて、一定の条件に合致する事業者が届け出た化学物質の排出量(届出排出量)などを把握し、集計し、公表する仕組みである。また、届け出の対象外である事業者、家庭、移動体からの化学物質の排出量(届出外排出量)の推計も行われている。事業者による届出外排出量は、届け出の対象業種に属するが他の条件に該当しないために届け出る必要のないもの(対象業種)、届け出の対象となっていない業種に属するもの(非対象業種)に分けて推計されている。このPRTRデータにより、毎年どんな化学物質が、どの排出源から、どれだけ排出されているかを知ることができる。

まず、届出排出量について見ると、PRTR制度の対象となる事業者から届け出のあった化学物質の排出量を合計すると16.0万トンとなった。その内訳は、大気への排出が14.5万トン、公共用水域への排出が0.7万トン、事業所内の埋立処分が0.8万トンなどとなっており、大気への排出が約9割を占めている。業種別では、輸送用機械器具製造業(3.5万トン)、化学工業(1.9万トン)、プラスチック製品製造業(1.9万トン)などからの届出排出量が多い。

届出外排出量は24.1万トンと推計され、その内訳は対象業種が4.1万トン、非対象業種が8.1万トン、家庭が5.1万トン、移動体が6.8万トンとなっている。また、移動体では自動車が5.5万トンで、移動体からの排出のほとんどを占めている。家庭からの排出では、洗浄剤や化粧品に使用されているポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテルと直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩がそれぞれ2.0万トンと0.8万トン、防虫剤や消臭剤として使用されているジクロロベンゼンが1.1万トンなどとなっている。

我々の日常生活は、化学物質を原材料にしたさまざまな製品によって支えられているが、その製品や原材料を製造する際や使用する際、そして廃棄する際において化学物質が環境中に排出されている。もちろん、排出された化学物質は大気中や水中での拡散、光などによる分解等で濃度が低下することなどから、今すぐ何らかのリスクに直面しているとはいえまい。しかし、さまざまな化学物質による複合的な影響を含めて、多くの化学物資は人の健康や生態系への影響に関する科学的知見が十分ではないとされ、今後もPRTR制度などで環境中への化学物質の排出を監視していくことが重要となろう。また、市民生活においても環境中への化学物質の排出を意識し、排出量を減らす努力が求められるのではないだろうか。

平成25年度の届出排出量、届出外排出量(万トン)

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