地方創生関連法が地方再生につながるためのポイントは"ひと"

2014年11月6日

衆議院の「地方創生に関する特別委員会」において、10月9日から地方創生に関連する2法案「まち・ひと・しごと創生法案(内閣提出第1号)」、「地域再生法の一部を改正する法律案(内閣提出第2号)」が審議されている。11月の初旬(一部報道では本日6日)にも国会を通過する予定と報道されている。上記の1番目の法案によれば、地方創生とは「まち・ひと・しごと創生」であるとしており、その目的が達成されることを切に願う。ただし、過去、地方活性化を目的とした地域の機関の連携の事例を分析してきた研究者(=筆者)としての視点から、成否のポイントを二つ指摘しておく。

一つ目は、特に「ひとの創生」=「地域社会を担う個性豊かで多様な人材の確保」(上記最初の法案の第1条)である。ある程度の成果を収めている一部の地方自治体の成功のポイントは、“地域の担い手”がどれだけ能力を発揮できたかである。この地域の担い手には、地域を再生させるという強い思いととともに、強いリーダーシップと継続的なコミットメントが求められる。つまり、地域の特性(特に“強み”)を客観的に認識した上で、中長期的な視点に立った方針と戦略のもと、官民産学を連携させ、関係者のベクトルを合わせて、地域を再生していくことが求められるのである。このことが、結果的に「まち」と「しごと」の創生につながる。上記の2番目の法案の中では、地方の関係者が連携する枠組みとしての「地域再生協議会」(下記図表参照)の成否がポイントとなろう。つまり、法案の内容にあるように、いかに民間の発意を促進して、効果的に機能するかがポイントとなろう。予算の受け皿としての組織では意味がない。

地域再生法の一部を改正する法律案について

二つ目は、「まち・ひと・しごと創生本部(本部長は内閣総理大臣)」および各地方自治体の「総合戦略」である。地域の一部の「点」あるいは「線」の活動としての成功事例はあるが、地域全体としての「面」の活動につなげるためには高いハードルがある。特に、民間発意の提案・組織を促して地域全体の活動にしていくのであれば、中央政府、地方自治体の中長期的な総合戦略、それに基づく継続的なコミットメントが、“ヒト・モノ・カネ”において必要であろう。

最後に、上記の地方創生関連法の成否を判断する“ヒト”のデータを紹介したい。内閣府が2014年8月に調査した「人口,経済社会等の日本の将来像に関する世論調査」では、日本の未来に対する意識は、東京都などの都市部と、20歳代の若者が、「明るいと思う」という比率が相対的に高く、逆に地方と高齢層が「暗いと思う」という比率が相対的に高い。地方創生関連法の成果として、最低でも、地方と高齢者の同比率を引き上げてほしいと切に願う。

日本の未来に対する意識調査

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