ニューヨーク情報:母(への愛)は強し

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2012年05月07日

  • 笠原 滝平
今年のゴールデンウィークは日程に恵まれたようだ。5月1日と2日を休んで長い休みを取った人も多いことだろう。残念ながら私がいるアメリカにはゴールデンウィークという休みがないので、昨年のゴールデンウィークはどう過ごしたかなど思い出しながら会社へ行ったものだ。

そのように異なる先週を過ごした日米両国も、今週は同じことで頭を悩ます人が多いのではないだろうか。5月13日(日曜日)の母の日がやってくる。日ごろの感謝の気持ちを込めて、母親にカーネーションや衣服、宝石、メッセージカードなどをプレゼントする人が多いだろう。

アメリカで現代のような母の日が執り行われたのは1908年に遡る。アンナ・ジャービスが自分の亡き母を讃えるためにイベントを考えて、教会で参加者に白いカーネーションを配ったことが始まりと言われている。一方日本では、1937年に森永製菓が「第一回森永母の日大会」を開催したことで、全国へと広まったとされている。両国ともに長い歴史のある日だ。

現在、アメリカでは雇用回復ペースの鈍化やガソリン価格の高騰などが家計に不安を与えている状況だ。ガソリン価格は足下で1ガロン約4.0ドル(下記アンケート調査が実施された4月中旬)と、2011年のガソリン価格高騰時に迫る水準で推移している。国土の広いアメリカでは自動車は生活必需品として考えられており、ガソリン価格の変動が家計消費や消費者マインドを大きく左右する。しかし、今のところこれらの影響は限定的となっている可能性がある。

全米小売業協会のアンケート調査によると、今年の母の日のプレゼントは平均で152.52ドル使う予定との結果が出た。ガソリン価格が1ガロン3.8~3.9ドルだった昨年は140.73ドルだったため、前年比+8%程度の増加となる。もちろんガソリン価格以外の環境が異なるため一様に比較することはできないが、アメリカの家計はガソリン価格高騰に負けていないと言えるのではないだろうか。

母への愛はガソリン価格には左右されないかもしれないが、それはそれで素敵なことだろう。

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