新入社員のための給与明細の読み方

2011年4月12日

4月も前半が終わろうとしている。この4月から就職して社会人になった新入社員にとっては、初めての給料日が近づいている。

社会人の場合、学生時代のバイトなどとは異なり(※1)、税金や社会保険料が引かれた後の給料を受け取る。

月給20万円であっても、20万円まるまるが手取り額となるわけではない。初任給を受け取ったときは、給与明細をしっかりと確認して、税と社会保険の仕組みを理解しておきたい。

◆所得税

所得税は、給料の金額に応じて計算され、毎月の給料から天引きされる(源泉所得税)。実際の所得税額は1年単位で計算するが、毎月の給料を受け取るときには、さし当たってその月の給料に基づいて所得税を概算で支払う。12月の給料を受け取るときには、概算で支払ってきた所得税額と実際に払うべき所得税を比較した調整が行われる(年末調整)。

社会人1年目の場合は、12月の給料支給時に払い過ぎてきた所得税が還付される(給与明細上の所得税額がマイナスになる)ことが多い(※2)

◆住民税

住民税は、その年の前年の給料に応じて6月から翌年5月にかけて、毎月の給料から天引きされる(特別徴収)。このため、社会人1年目は、住民税は徴収されない。住民税は社会人2年目に半分程度かかるようになり、社会人3年目から全額かかるようになる(※3)

全額かかったときの住民税額の目安は、給与明細に記載されている「所得税」の2倍である(※4)

◆社会保険料

世の中のほとんどのサラリーマンは、税金よりも社会保険料の方が負担が重い。新入社員の場合も同じである。雇用保険・健康保険・厚生年金を合わせて、給料の13%程度が徴収される。雇用保険・厚生年金の保険料率は全国一律だが、健康保険の保険料率は会社や地域によって異なる。

なお、会社によっては、新入社員の健康保険と厚生年金の保険料を4月分の給料から徴収せず、5月分の給料から徴収するところもある。これらの保険料が引かれていない場合は、4月分の給料が「手取りの金額」と勘違いしないように気をつけよう。

新入社員の給与明細の例(協会けんんぽ加入、東京都の会社の例

(※1)アルバイトに限らず、月給が88,000円未満の場合は所得税の源泉徴収は行われない(所得税法別表第二)。また、学生バイトの場合は、社会保険の加入対象外となり社会保険料の天引きも行われていない場合が多い。

(※2)所得税の源泉徴収額は、12ヶ月働いて給料をもらうことを前提に設計されている。新入社員の場合、4月~12月までの9ヶ月しか働いていないので、12ヶ月働くことを前提とした源泉徴収額は過大となっていることが多い。

(※3)社会人1年目は4月~12月までの9ヶ月しか働いていないので(年間を通じて働いた場合と比較して)年間の収入は少ない。この社会人1年目の給料に基づいて算定される社会人2年目の住民税は少ない。住民税負担がフルにかかってくるのは、社会人2年目の給料に基づいて住民税の徴収が行われる、社会人3年目から。

(※4)課税所得金額195万円以下(年収300万円台であれば概ね該当)の場合、所得税率が5%である。住民税率は倍の10%(所得によらず一律)であるので、概ね、住民税額は所得税額の倍となる。

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