内需も外需も

2009年7月27日

衆院総選挙が盛り上がりをみせているが、与野党間の違いが明確でない分野も多いようだ。例えば、経済政策について、自民党も民主党も内需創出や内需主導経済を目指すという。確かに、07年秋までの経済成長は外需主導で、その後の不況は外需の落ち込みゆえである。

各国をみると、経済成長における内需と外需の組み合わせには、明らかに一定の関係がある。内需の寄与度が大きければ、輸入が強めで外需がマイナス寄与となりやすい。反対に、外需が成長に大きく寄与していれば、内需が弱いという証拠の場合が多い。その中間の国もある。

しかし、内需と外需はトレードオフの関係にあるわけではない点を踏まえたい。内需と外需の組み合わせには兼ね合いがあるとしても、両方大きく、両者の合計が最大になるのが望ましいにきまっている。各国が同じグローバル化の環境にある中で、日本は肝心の成長率が物足りなかった。

成長率が高くないのだから、日本の外需寄与度が特に高かったとはいえない。お隣の韓国が米国、EU、インド等とのFTAに積極的であるのとは対照的に、世界の成長を享受する戦略に欠けば所得低迷が続き、内需の萎縮が必然になる。外需依存という否定的表現が誤解を招く一方で、人口減少日本の活路は外需ともいわれている。日本の輸出産業にはさらなる躍進を期待したい。

もちろん内需は甚だ重要である。しかし、近年の外需主導が内需低迷の原因ではなく、日本の内需は90年代以降ずっと弱いままである。外需依存をやめれば内需が拡大するわけではなく、外需が成長しなかったら内需はもっと深刻だっただろう。

内需拡大とは既存型内需ビジネスの変革であり、その過程では摩擦や淘汰がどうしても避けられない。かといって、誤ったバラマキ政策や誤った規制強化は産業を長期的に衰退させる。内需を重視するのは大賛成だが、それにどう取り組もうとしているのかが、次の政権には問われている。

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