名簿閉鎖制度の廃止

2004年10月5日

2004年6月に株券不発行制度の導入に関する関連法が可決成立し、10月1日からは未公開会社について株券をペーパーレス化することが可能となった。つまり、株主総会を開き、定款変更を行えば、株券不発行制度を採用することができるようになったのである。

上場・公開会社については、現時点では未だ株券不発行制度を採用することはできない。それでは、上場・公開会社は、今回の法改正は当面無関係なのであろうか。実は、株券不発行制度以外にも法改正が行われており、その中には10月1日から上場・公開会社にも適用されるものがある。具体的には、「名簿閉鎖制度」の廃止である。

「名簿閉鎖制度」とは、株主総会の議決権などを持つ株主を確定するために一定期間の間、株主名簿を閉鎖して、名義書換をできなくする制度である。それに対して、株主名簿の閉鎖を行わず、一定の期日における株主名簿上の株主を議決権等の権利者とする制度を「基準日制度」という。

今回、「名簿閉鎖制度」は、未公開会社の株券不発行制度導入と同じ10月1日から廃止されることとなった。これは株券がペーパーレス化された未公開会社について、株主名簿の閉鎖を行えば、その間、株主の権利保全が困難になるとの判断によるものである。前述の通り、上場・公開会社については、未だ株券不発行制度を採用することはできないことから、直接、「名簿閉鎖制度」を廃止しなければならない理由はないとも考えられる。しかし、法務省は、上場・公開会社であれば、株主名簿はコンピュータ管理されており支障はないとの考えから、これらの会社についても区別せずに、株主名簿閉鎖制度を廃止することとしたのである。

現在、上場・公開会社の主流は、「基準日制度」を採用している。一部、「名簿閉鎖制度」を残している企業も、多くは「基準日」についても定めており、それほど大きな影響はないかもしれない。しかし、それでも定款規定の修正や、事務フローの見直しなどが必要となることから、「名簿閉鎖制度」採用企業は忘れずに対応を進める必要があるだろう。

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